少し遅くなった「のぞみ」 その2 「山陽新幹線の場合」

 「のぞみ」は、「東海道新幹線」内だけでなく「山陽新幹線」内でも全盛期より遅くなっています。こちらはダイヤ上の制約でなく、停車駅の増加とダイヤのゆとり化による要素が強いです。


「新大阪」~「博多」間における所要時間の推移

平成5年(1993年)3月18日:「300系」「のぞみ」が「山陽新幹線」でも運転開始
2時間32分(最高速度:270km/h)

平成9年(1997年)3月22日:「500系」「のぞみ」運転開始。
2時間17分(最高速度:300km/h)
この便の「新大阪」~「博多」間の所要時間、平均速度、表定速度は15年経った今でも破られていない

平成11年(1999年):3月13日「700系」「のぞみ」運転開始。「500系」「のぞみ」が最速状態を維持
2時間25分(現在は2時間28分、最高速度:285km/h)

平成15年(2003年):10月1日 500系「のぞみ」を含めた全列車が新神戸駅に停車することになり所要時間が4分延びた
2時間21分(最高速度:300km/h)

平成18年(2006年)3月18日:JR福知山線脱線事故が発生。
この影響で「山陽新幹線」でもダイヤにゆとりを持たせ、所要時間が2分延びた。
2時間23分(最高速度:300km/h)

平成19年(2007年)7月1日:「N700系」が運転を開始。最高速度は、「500系」と同じ300km/h
2時間23分


 また、「山陽新幹線」を走る「のぞみ」の多くは、減便した「ひかり」の代わりとして停車駅が増やされました。従って、停車駅数が昔と同じ最速タイプの「のぞみ」の数は少ないです。

 ちなみに、「500系」「のぞみ」で320km/h運転を行い「新大阪」~「博多」間の所要時間を2時間10分ほどにする構想もありましたが、色々な問題で実現しませんでした。「500系」が全盛期だったころこそ、「山陽新幹線」が最もスピードに乗っていたときでもあったのです。
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かつては速度制限がされていた その2  「山陽新幹線」の場合

 「東海道新幹線」と同じく、「山陽新幹線」も開業直後は路盤安定のために一部の区間で減速運転を行っていました。「山陽新幹線」が開通したのは昭和50年(1975年)3月10日で、当時は「新大阪」~「博多」間を3時間44分で走破していました。当時は盛土の路盤が安定していなかったため、「三原」~「博多」間で減速運転がされていたのです。また、「福岡県」内のトンネル付近には「筑豊炭田」(社会の授業でやりましたね)の廃坑が縦横無尽に巡っているといわれました。その廃坑が新幹線の高速運転による振動で落盤事故が起きて地盤、山を不安定にさせないか?を確認するために、その付近を110~160 km/hに落としたこともあるそうです。

 そして、5年後の昭和55年(1980年)10月1日に減速運転が解除されて所要時間が3時間28分に短縮(16分短縮)されました。

 「東海道新幹線」では減速運転解除後は50分短縮していたのに対して「山陽新幹線」は短縮値が小さいですね。「東海道新幹線」と比べて不安定区間が少なかったのでしょうか?ただ、路盤の安定を確認するのに5年かかったのは何故でしょう?

 以後の新幹線では、開業直後の極端な減速運転はしていないようです。恐らく、「東海道・山陽新幹線」で得た?路盤の安定のノウハウを掴んだのか、コンクリートの高架橋区間が増えたからでしょう。

山陽新幹線の博多駅のポイントの操作は東京でしています

 博多駅だけでなく、東海道新幹線と山陽新幹線の全ての区間(全長1069km)のポイント操作は東京で行っています。東京駅構内にある中央司令室のコンピューターが、計画されたダイヤ、およびそのときそのときの状況に応じて全区間への指令を発しているのです。
 東海道新幹線が開通して間もない頃は列車の本数も非常に少なく(30分に1本)人力で操作をおこなっていましたが、時がたち列車の運行本数が増え(5分に1本)、さらに停車や通過のパターンの複雑化から、コンピューターで行うようになりました。以前は名古屋や京都にしか停まらなかった「ひかり」が他の駅に停まれるようになったのも、こうした改良のおかげです。一応有事に備えて、新大阪にも第二総合指令所が設置されていて、いざというときは東京の指令所と同じ指令を出せます。

駅名を巡る争い その3 小郡駅(現在の新山口駅)

 山陽新幹線の「小郡駅(現在の新山口駅)」は、新幹線の中で唯一、開業後に駅名が変更された駅です。

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 (Wikipedeaより) 

昭和50年(1975年)に山陽新幹線の岡山~博多が開通しましたが、この駅の駅名を決める際、駅の所在地である小郡町(平成17年に合併して山口市となった)は「小郡」を、隣町でかつ、山口県の県庁所在地である山口市は「新山口」を推奨しました。

小郡町:自分の町の名前をそのまま駅名にも使用したい。
山口市:県の象徴である県庁所在地の名前を使用したい。


 そして2つの町は駅名を巡って争いました。ちょうどそのころ、山口市が小郡町を吸収合併する話が浮上していたため、「新山口」派の主張も強かったです。しかし投票結果、合併反対派が多数を占め、合併の話自体が白紙になったため、結果的に「小郡」が採用されました。
 その後、平成の大合併に乗って再び山口市と小郡町の合併の話が浮上し、駅名を「新山口」に変更して山口県の玄関口とし、なおかつ「のぞみ号」を停車させて山口市全体を広域的な観光拠点としてアピールしたい、という山口県とJR西日本の思惑が一致し、平成15年(2003年)に駅名が「新山口」に改称されました。小郡町では反対運動も勃発しましたが、最終的には「小郡駅は小郡町のものだけでなく、山口県民の駅である」という主張が通ってしまったのです。合併は2年後の平成17年(2005年)に行われました。

 新山口駅に「のぞみ号」が停車したことにより、山陽新幹線の通る全ての県に「のぞみ号」が停車することになりました。 ← 山口県内だけ、今まで「のぞみ号」が全く停車しなかった

 われわれ一般人から見れば、
 駅名を変えただけで、「のぞみ号」を停車させてくれたJR西日本と、静岡県知事が怒りを交えて熱望しているにも関わらず、「のぞみ号」を静岡県内に停車させてくれないJR東海。お互いの会社の方針がはっきりと分かるじゃあありませんか。

政治駅の疑惑について その2 新岩国駅

 「我田引鉄」によって作られたのではないか?と噂されている新幹線の駅は他にもいくつかあり、山陽新幹線の「新岩国」駅もそうではないかと噂されたことがあります。「新岩国駅」は、「広島駅」と「徳山駅」の間に位置する駅で、岩国市街地から少し離れた場所にあります。

新岩国

新岩国駅
(Wikipediaより)

 「新岩国駅」が開業したのは、山陽新幹線が全線開通した昭和50年(1975年)ですが、当時、大物政治家として君臨していた佐藤栄作、岸信介、重宗雄三の出身地に近いことから、政治駅ではないかと噂され、「山陽の岐阜羽島」とまで揶揄されたこともあります。ちなみに、佐藤栄作と岸信介が岩国市に隣接する「田布施町」出身で、重宗雄三が「岩国市」出身です。
 このようなことから色々と疑われていましたが、駅間距離は「広島」~「新岩国」が44.2km、「新岩国」~「徳山」が38.1kmと2つの駅の間のほぼ中間に位置し、更に30~40kmの駅間距離が新幹線の理想であるという条件をほぼ満たしています。なので、これも政治駅だとは言い切れないでしょう、多分。2つの駅の中間にできたという点では、以前紹介した「浦佐駅」と似ています。余談ですが、「新岩国駅」は、1日の乗車人員が1000人前後と、東海道山陽新幹線では一番少ないです。まあ、1日の乗降客が100人前後の「岩手沼宮内駅」(東北新幹線)よりはまだましですね。

現在の新幹線の営業最高速度は時速300kmではなく、およそ304km

  日本国内を走る新幹線で一番速い列車は新大阪~博多(山陽新幹線)を走る500系のぞみ号ですが、営業最高速度は300kmです。しかし、実際は304kmで運転することもあるのです。
 新幹線は路線ごとによって基準は異なりますが、運転中はある一定内の速度で走るように信号が送られています。例えば220km信号が出ている場合は220kmまでだしてよく、余計に速度を上げると安全のために自動的にブレーキがかかり、10km速度を下げられます。500系のぞみ号も300km信号によって300km運転をしていますが、下り坂に突入したりしてうっかり301km以上になって、そのたびに自動ブレーキで減速するのも困ります。そこで300km信号では305kmに達したら自動ブレーキがかかるように設定しています。これを頭打ち速度といい、先ほど例に出した220km信号にも実際はちゃんと適用(確か225km?)されています。つまり304kmまで速度を上げても自動的にブレーキがかからないのです。
 そこで列車が遅延してしまったときは、自動ブレーキのかからないギリギリの速度、304kmを出すことがあります。新幹線の運転士は自分の運転する区間のトンネルの位置や長さ、カーブの位置や半径、坂の位置や勾配の値などを全て頭に入れているため、熟練した運転士は坂の影響による速度変化やトンネル内の空気抵抗を考慮して微調整をしつつ304kmを出来るだけ保つような運転が出来るそうです。

500系の先頭車両、博多駅にて(今年の1月15日)
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