かつて計画されていた新幹線ルート その4 長野~富山 追記:妄想平面図と断面図

現在建設されている北陸新幹線の長野~金沢の間ですが、あと6年で開通予定です。ルートは長野から飯山と上越南部をとおり日本海側に抜けてから北陸本線と若干離れて並行しつつ、富山へ向かいます。地図で見ればかなり大回りをしていますが、かつては長野から真西に向かい、白馬を横切り立山連峰を貫いて直接富山平野に出るルートが考案されていました。

北陸新幹線
 こちらが長野~富山の間のルート図です。緑色の線が実際に建設されているルート、赤色の線がかつて候補に上がっていた理想のルートです。詳しい試料が無かったため、適当にひきました。こんな感じだと思っておいてください。

 こんな計画もあったのですが、お察しの通り、立山連峰は3000m級の山々がそびえる大山脈で、断層破砕帯、火山帯でもあり地質が非常に悪いです。←日本ってこういう場所ばっか、だから工事が予定より遅れるんです
 そこを貫くにはあまりにも手間がかかり且難工事が予想されること、飯山、上越地域の自治体の誘致運動も合い極まり、現在のルートになりました。もし、立山連峰を貫くルートで建設されれば、路線距離が現在のルートより約60kmも短縮され、勾配も緩やか?になり高速運転が可能なため東京~富山の間を2時間以内で(1時間40~50分くらい?)走破できたかもしれません(現在のルートでは2時間10分)。

追記:妄想平面図と断面図

 製作中の動画のために、この「立山トンネル」の平面図と断面図(完全に推定妄想)を造りました。

「立山トンネル」の推定スペック
全長:約70㎞
現在世界一の「青函トンネル」は53.85㎞、
世界一になる「ゴッタルドベーストンネル」は57.09㎞

土被り:約2000m
現在日本一の「大清水トンネル」は約1300m、
世界一になる「ゴッタルドベーストンネル」は約2300m

「高熱隧道」の場所を通る可能性(岩盤温度が最高166℃になった地熱地帯)



平面図

立山トンネル平面図
 外側線が黄色になっている部分が「立山トンネル」です。線路標高は、当時(今から30~40年前)10km以上連続するなら望ましいとされた最急勾配の12‰として考え、100mごとに色分けしています。「長野」~「富山」間の距離から、推定最高標高は650mです(ずっと12‰勾配を連続させてた場合)。

断面図
立山トンネル断面図12‰のみ - コピー
 こちらは断面図です。ウォッちずから「立山トンネル」沿線の地形をめちゃくちゃ大まかに再現しました。「立山トンネル」が構想されていた頃提唱された12‰ルートと、現在の新幹線なら可能である30‰ルートで造ってみました。
 12‰ルートでは、谷地形である「白馬」(標高700m以上)ですらギリギリ地上に出られず、「長野盆地」~「富山平野」の間、約70㎞が全てトンネルになります。
 30‰ルートでは、「白馬」や「黒部峡谷」などで地上に出るため、トンネルの長さは長くても20km台となります。まるで「リニア中央新幹線」の「赤石山脈」越えのような展開です。ただし、雪や落石対策でトンネル間はシェルターで覆われて実質ほとんどがトンネルになるでしょう。
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「北海道新幹線」があまり速くない可能性

 『「北海道新幹線」を「札幌」まで開業させて「東京」~「札幌」間を最高速度360km/h、3時間57分で結ぶ』
 、というフレーズが、ニュースや鉄道図鑑、専門書によく書かれています。しかし、現実にはそこまで速度を上げられない可能性が以下の記事に書かれていました。この記事は、「北海道新幹線」の問題点を様々な角度から見ていますが、本記事では速度に関するところを赤文字で強調しておきました。

毎日新聞 8月26日(日)10時34分配信

 北海道新幹線の新函館-札幌(211・5キロ)の起工式が25日、長万部町で行われた。道や経済界にとって長年の悲願だった札幌延伸は実現に向けて踏み出したが、工期は24年にも及び、道には巨額の事業費負担も重くのしかかる。JR北海道から経営分離される並行在来線(函館-小樽、252・5キロ)のあり方も鉄路存続を望む沿線自治体には懸念材料だ。【岸川弘明、吉井理記】(社会面参照)

 ■工期短縮と財政負担
 国が示す札幌延伸の総事業費は1兆6700億円。このうち、国の交付税措置を除いた道内自治体の実質負担は2900億円と試算されている。新駅が設置される市町にも一部負担を求めるが、大半は道が負担する。道は400億円を一般財源、残りの2500億円を道債発行で賄う予定だ。
 これまで札幌延伸の推進派は延伸に伴う経済波及効果で、建設費は回収できると主張。北海道経済連合会(道経連)が着工認可前の06年にまとめた試算でも、北海道新幹線(新青森-新函館含む)の建設で道内の経済波及効果は約2兆5000億円に上り、約18万3000人の雇用を生むと予測していた。
 ただ、試算で想定していた工期は15年間。24年間では「将来は人口も減るだろうし、経済効果は薄れるのではないか」(道経連幹部)と懸念の声もあり、経済団体は国に工期短縮を求める意向だ。
 一方、事業費を負担する道はジレンマを抱える。工期を短縮すれば単年度ごとの負担額は増えるため、財政難の道財政をさらに圧迫しかねない。高橋はるみ知事も「工期は短い方が経済効果が出ることはよく分かっているが、道費負担増は道民の理解を絶対得られない」(7月20日の記者会見)と述べるなど、道は対応に苦慮。7月に国に出した来年度予算要望でも、道は札幌延伸の「工期短縮」ではなく、「整備促進」との表現にとどめた。

 ■青函トンネルで減速
 工期に加え、経済効果を生む上でネックになるのが速度の問題だ。道経連の試算は最高時速360キロ、札幌-東京の所要時間を3時間57分と想定していた。だが、開業時の最高時速は260キロとされ、東京まで4時間43分かかる。しかも、青函トンネル(54キロ)を含む在来線との共用走行区間(82キロ)では貨物列車とすれ違う際の安全確保のため時速140キロに減速せざるを得ず、所要時間は5時間1分になる。道幹部は「140キロといえば特急並みの速度。18分間の差かもしれないが、新幹線の魅力が落ちてしまう」と案じる。
 改善策を検討するため、国土交通省は7月、有識者らの「青函共用走行区間技術検討ワーキンググループ」を設置した。新幹線と在来線の運行時間帯を区分▽すれ違い時に新幹線が自動減速▽トレイン・オン・トレインなど貨物専用新幹線の導入▽第2の青函トンネルの建設▽上下線間に障壁設置--の案を提示。年度内に結論を出す考えだが、一筋縄ではいきそうにない。
 第2の青函トンネルは4000億~5000億円、上下線の障壁は約1600億円の建設費がかかる見込み。自動減速や貨物専用新幹線も技術開発に多額の費用が必要となる。費用面から運行時間帯の区分が最も現実的と言えるが、青函トンネルを日に最大51本走らせるJR貨物は「運行本数が減れば営業に影響する」とダイヤ調整に難色を示している。


 ■三セクかバス転換か
 JR北海道から経営分離される並行在来線の函館-小樽は鉄路存続かバス転換か、今後始まる沿線15市町間の議論が注目される。分離区間のうち物流を担う室蘭線に接続する函館-長万部と地元住民の利用が主な長万部-小樽とでは路線の性格が異なる上、新幹線駅が設置される自治体と他の“通過自治体”の間でも温度差がある。
 函館-長万部はJR貨物から線路使用料収入が見込まれ、鉄路存続でも採算が取れる可能性がある。一方、長万部-小樽の輸送密度(1キロあたりの1日平均乗客数)は500~2000人程度で、採算ライン(8000人)を大きく下回る。第三セクターによる鉄路維持では採算割れし、沿線自治体は赤字の穴埋めに財政負担を覚悟しなければならない。
 新幹線駅が置かれる小樽市と倶知安、長万部、八雲3町は「本州客を誘引する」(倶知安町)と延伸効果に比重を置く。新幹線駅周辺も「在来線にスキー客向けの臨時列車もあるが、新幹線開通後は(新駅を起点に)バスでも代替可能ではないか」(ニセコリゾート観光協会)と鉄路維持に執着は強くない。
 一方、新幹線が停車しない余市町は「(在来線は)通勤通学利用者も多い生活路線。鉄路存続が(経営分離に同意した)前提だ」と危機感をにじませる。同町の住民団体「JR函館線の存続を求める住民の会」も鉄路存続の署名活動を続ける。
 道は9月上旬に代替交通を検討する沿線15市町との協議会を設置する方針。市町間の足並みがそろうかが焦点となるが、道幹部は「三セク化が決まった江差線より沿線自治体が多く、地域事情も異なる」と難航を予想する。

8月26日朝刊
.http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120826-00000008-mailo-hok

 整備新幹線の最高速度260km/hの法則が「北海道新幹線」でも発動されるかもしれないということです。
 そして、「青函トンネル」は新幹線と在来線の共同利用で造られているので、実はすれ違いの時の風圧が問題視されています。普通の新幹線は新幹線車両しか走らないためすれ違い時の風圧対策も万全です。しかし、「青函トンネル」の区間は在来線の車両や貨物列車など、新幹線と異なる仕組み構造の車両も走り、新幹線もそれに配慮して減速しなければいけなくなりそうです。本やニュースでは最高速度の理想が結構強調されますが、実はこういう問題も出ているのでした。

 ちなみに、「瀬戸大橋」に新幹線を走らせた場合(走らせる構想はある)、こちらも騒音が問題で橋の上では最高速度が160km/hに押さえられるらしいです。

青函トンネル その2 新幹線をつくるために長くされたトンネル

 青函トンネルの長さは53850mと、道路・鉄道トンネルでは世界一の長さを誇ります(スイスのゴッタルトベーストンネルができるまでは)。当初の計画では全長が約36.4kmで造られる予定でした。しかし、青函トンネルに新幹線を通すために現在の長さになりました。
青函トンネル
 こちらは、青函トンネルの断面です。右側が北海道、左側が青森で、青色線が実際に造られたトンネル、赤色線が最初の計画時のトンネルを大まかに示します。

 当初は普通の在来線が走れる20‰(tanθ=20/1000)の勾配で地上と最新部を通す予定でした。トンネルの通る海峡部分の幅は約23kmなので、この勾配なら36.4kmの長さのトンネルで本州と北海道をつなげられたのです。その後、北海道にも新幹線を通す計画が挙がり、新幹線の車両も青函トンネルを走らせることになりました。新幹線の車両は高速運転をする代賞として、急坂と急カーブに弱い性質を持ちます。新幹線の車両が300km/h超で運転できるようにトンネル内の勾配を12‰、最小曲線半径を6500mにゆるめた結果、現在の長さ(53850m)に延びました。長くなった理由は、上の断面図から一目瞭然で明らかです。この延長の影響で、イギリスとフランスを結ぶユーロトンネル(全長50450m)が開通しても道路・鉄道トンネル世界一の座を維持しています。

 青函トンネルと新幹線の関係についてはこちらでも触れていますので、参考にどうぞ(http://tarouroom.blog89.fc2.com/blog-entry-55.html)。

明石海峡大橋と大鳴門橋に新幹線を走らせる構想

 本州と四国を結ぶ道路の1つに、明石海峡-淡路島-鳴門海峡を渡って両者を結ぶ道路があります。明石海峡には明石海峡大橋、鳴門海峡には大鳴門橋がかけられています。実は、淡路島を渡って関西と四国を結ぶ新幹線が、かつて計画されていました。路線名は「四国新幹線」で、そのまま高松-愛媛を通ってトンネルか橋で豊後水道を渡り大分へいたるものです。
 全線開通は今のご時世ではほぼ不可能でしょうが、かつては明石海峡大橋に新幹線の線路を敷く構想があり、現在の大鳴門橋には四国新幹線の面影が残っています。

 明石海峡大橋も大鳴門橋も、瀬戸大橋のように上が道路下が鉄道の二重構造の橋にする予定でした。大鳴門橋はそれが可能なように造られ、道路部分の真下に新幹線の路盤を敷くスペースが造られています。橋の両側には、新幹線専用のトンネルの入り口(だけ)も造られています。明石海峡大橋も一時は新幹線の路盤をつけた設計がされましたが、「四国新幹線」建設の可能性が下がったことにより道路のみが通るように計画が変更されました(その方が建設費が安い)。当時の基準では明石海峡大橋の路盤の勾配が急なため新幹線が走れないとされていましたが、今では可能なので新幹線の線路を道路の両端に設置する可能性はあるそうです。もしくは別に海底トンネルを掘る構想もあります。

 「四国新幹線」は、ほかの基本計画線である整備新幹線の中では関西圏と四国・九州圏を結ぶ路線として比較的重要視されていますが、現在ではそれがいつになるのかはわかりませんね。

大鳴門橋 新幹線
 大鳴門橋の道路部分の真下です。新幹線を通すスペースがこのように複線分確保されています(明石海峡大橋にはありません)。奥の橋げたも、きちんと穴が開いています。構造的には8両編成の列車まで運行可能だとか(16両だと重すぎるらしい)(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Oh_Naruto_Bridge_inside.JPGより)。

「北海道新幹線」と「津軽線」の関係

 近年建設される整備新幹線の開業後は、並行在来線はJRより経営分離されて第三セクター化、もしくは廃止となります。「北海道新幹線」に並行する在来線もその対象になりますが、青森県で並行する「津軽線」は、「北海道新幹線」開業後も経営分離されません。「北海道新幹線」はJR北海道が、「津軽線」はJR東日本がそれぞれ別々に経営するためです。

津軽線
 赤い部分が「津軽線」です。(Wikipediaより)

かつては、「中央新幹線」と「第2東海道新幹線」は別々の路線とされていた

 現在、「東京」~「名古屋」間で「リニア中央新幹線」の建設が計画されています。この新幹線は、別称で「中央新幹線」とか「第2東海道新幹線」とかとも呼ばれているようですが、国鉄時代はこの2路線は別々の路線として構想されていました。

中央新幹線
 「東京」~「名古屋」間をJR中央線、あるいは中央自動車道と並行した通常の新幹線で結ぶものです(「中央新幹線」は「大阪」まで延ばしますが、そのルートはよくわからないのでここでは省きます)。要するに、「リニア中央新幹線」のAルート(JR中央線沿い)、もしくはBルート(中央自動車道沿い)に通常の新幹線を走らせるというものです。

第2東海道新幹線
 「東海道新幹線」と「中央新幹線」の間に位置し、「東京」~「名古屋」~「新大阪」を最短ルートで結ぶものです。運転方式は、当時の技術ではこちらも通常の新幹線方式だったそうです。「第2東海道新幹線」のルートこそ「リニア中央新幹線」のCルート(赤石山脈を直線で貫くルート)にあたります。

 今から20年ちょい前に国鉄が民営化され、その1つのJR東海が誕生しました。その際、この2つの路線を「第2東海道新幹線」として1つにし、それをリニア方式で運行することが計画されたのだそうです。今のご時世ではほぼ完成することのなさそうな、壮大な計画や構想が、国鉄時代にはこのほかにも結構誕生しているのです(諏訪を迂回する「中央新幹線」の計画は完全に途切れたわけでもないらしい)。

金沢付近にある北陸新幹線の路盤(高架橋やトンネル)について その2 政治とエゴに翻弄された路線

 前の記事では「石動」~「金沢」の新幹線の路盤が先に造られてしまった訳について紹介し、最後にこの区間は、新幹線にしては妙にカーブが多くてクネクネしすぎていることを仄めかしました。この区間のルートは政治と地元のエゴによってこんなにクネクネにされたのです。当初の計画ルートと、変更後のルート(現在建設中)の比較を下の地図で示します。

コピー (3) ~ 北陸新幹線
 こちらがそのルートです。赤色の線が変更後の、すなわち現在建設中のルート(実線は既に完成した、破線は建設中の区間を示す)青色の実線が当初の計画ルート(青色の線以外の場所のルートは赤色の線と変わらない)を示します。

 当時は上の地図のように高岡市から緩やかなカーブを描いて金沢へ向かう予定でした。予算の都合で「新高岡」~「金沢」の間を部分的に造り、北陸新幹線が連続的に開通するまで暫定的に特急列車などを走らせる予定でした。

 ところが、これに石動および周辺の自治体が反発しました。部分的な開通とはいえ、実際に開通したら平行在来線は第三セクター化されます。さらに、石動に停まっていた特急列車が新幹線の路盤を走ることになり、石動に特急列車が立ち寄らなくなります。このことから、地元から「新幹線を造るなら石動を通るルートにするべき」という声が出て、現在のクネクネルートに変更されました。当時は既に、当初のルートの調査とトンネルの試掘が行われていましたが、結局それも無駄になり、その費用は富山県が負担しました。

 新幹線は直線区間が多く、在来線よりも路線距離が短いのが常識ですが、「石動」~「金沢」の区間は新幹線の方が在来線より0.4km余分に長いのです(一部の例外はありますが、普通はありえないことです)。ルート変更により、新たな用地買収の手間と費用もかかりました。

 結局在来線の特急列車も暫定的にその路盤を走らず、石動付近に新幹線の駅は造られませんでした。結果的に見れば、無意味にクネクネになったとしか言えない、残念な例なんです。

 現在のニュースや新聞、富山県や石川県の公式HPでは恐らく北陸新幹線の当初のルートと、それを巡るいざこざについては取り挙げられていないでしょうから、北陸地方に住んでいる人でもこの事実を知る人はあまりいないでしょう。自分も「全国鉄道事情大研究・北陸編①」を読んで初めて知りました。中央新幹線がこれの二の舞にならないことを祈ります。

金沢付近にある北陸新幹線の路盤(高架橋やトンネル)について その1 何故ここだけ先に作られたのか?

 現在、北陸新幹線の「長野」~「金沢」の区間が平成26年(2014年)開業を目指して着々と建設されています。富山県内でも高架橋がちらほら見えてきました。
 しかし、何故か「石動」~「金沢」の区間だけはこの区間を着工する何年も前から既に造られていました。北陸地方に何年も住んでいる人や、金沢を訪れる人がしょっちゅう見ている“あの高架橋”ですよ。

800px-The_Viaduct_of_Hokuriku_Shinkansen-1 
 念のためお見せしますが、この高架橋です。(金沢駅付近から富山方面の景色、Wikipediaから引用)。
 
北陸新幹線
 こちらが北陸新幹線のルートです。「富山」の西側には「新高岡」(イオン高岡の近く)、「金沢」の2駅が造られます。赤色の実線が既に完成している“あの高架橋”(「石動」~「金沢」)、破線が現在建設中、もしくは計画中(金沢より西)の区間を示します。

 何故「石動」~「金沢」の間だけ先に造られたかといいますと、造りやすい(造れる)区間からとりあえず先に造ったからです。
 だからといっても、新幹線を造るのであれば「長野」~「金沢」を一気に造る方がいいと大多数の人は思うでしょう。実際その通りであり、本当はそうしたいんです。しかし、当時の国鉄(JR) にはその予算がありませんでした、その一方で国内の色んなところの地方自治体が「こっちにも新幹線を通してくれ」と騒いでいました。北陸地方もその一例です(特に富山県が凄かったらしい)。ちなみに、予算不足になった原因の1つに、東海道・山陽・東北・上越新幹線の建設にお金を使いすぎたことが挙げられます。

 予算不足で一気に長い区間を開通させるのは非常に困難だったため、造りやすいところから順に造っていくことにしました。その1つである「石動」~「金沢」のあの高架橋やトンネルは、平成4年(1994年)に建設が始まりました(今から15年も前に!!)。しかしよく考えてみれば「石動」~「金沢」という僅か30kmほどの短い区間に新幹線を造っても意味がありません。こういう高速列車は長い区間を連続して開通させるからこそ短縮効果があるのですから。
 そこで、先に出来た新幹線の高架橋やトンネルに在来線の特急列車を走らせることにしました。北陸新幹線が“ほどよく長い区間”開通するまで暫定的に特急列車を走らせて特急列車の所要時間を少し短くしようとしたのです。まあ、結局実現されませんでしたが。

コピー (2) ~ 北陸新幹線
 再び地図に注目してください。先に造られた新幹線の路盤の東端である「石動」付近で在来線に妙に接近しているのが分かるかと思います。黒円で示した場所で新幹線と在来線を暫定的に結ぶ計画だったのです(勿論「金沢」でも接続させる計画だった)。

 最後に、建設ルートを見て、「この区間は新幹線にしてはやけにカーブが多くてクネクネしすぎじゃないか?」と思った人は鋭いです。本当はもっとまっすぐしたルートになるはずでしたが、ルートを巡っても、いざこざがあったんです。次の記事で紹介します。

瀬戸大橋について

 青函トンネルが新幹線を走らせることを前提に建設されたように、実は瀬戸大橋も新幹線を走らせることが出来るように設計されています。現在は在来線しか通っていませんが、実際は在来線と新幹線、両者とも建設できる、いわゆる複々線(線路が4本並んでいるということ)にすることが可能なように出来ています。ルートの関係で半径が1300mのカーブ(新幹線は2500、4000m以上が基本)があるため160kmに制限されていますがね。
 しかしまあ、四国に延びる新幹線の建設自体がまだまだ未定なのでいつになったら出来るかは不明です。ちなみに、鳴門海峡の大鳴門橋もいざとなったら単線の新幹線(普通の在来線でもいいが)が建設できるように作られています。こっちの方は瀬戸大橋に新幹線を作るより可能性は低い、むしろ限りなく0に近いです。万が一作るとしても新幹線ではなく、普通の鉄道に落ち着くでしょう。

青函トンネル その1 新幹線の走行のために設計されたトンネル

 現在、札幌までの新幹線延伸の認可が下りて平成27年(2015年)に函館まで開通する予定です。そして青森と函館の間にある津軽海峡は昭和63年(1988年)に開通した青函トンネルを使用します。むしろ青函トンネルは最初から新幹線を走らせることを前提に作られ、まだ新幹線が開通していないから在来線だけが利用しているという状態です。そのためトンネルの断面積、路盤の大きさ、カーブの半径の値、坂の勾配の値などは全て新幹線が時速300km以上で走れるように設計され、今JR東日本が計画している360km運転も可能です。
 新幹線開通後も在来線の列車は走る予定ですが、速度差がありすぎるので在来線のほうも青函トンネル内ではスピードを上げる(160km以上)必要が出てきます。寝台特急はどうなるのだろう…?。
 
 青函トンネルの北海道側の入り口の写真です。よく見ると、線路の下にあるコンクリートの路盤(スラブといいます)の幅が上の線路と比べてかなり大きいです(赤い矢印に注目!)。コンクリートの路盤は新幹線の線路の幅に合わせて作られているので、このようになっています。なので今ある線路の外側(ちょうど赤い矢印の場所)に、新幹線のサイズに合わせてもう1本レールを敷けば新幹線の走行も可能になります。
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 ちなみに青函トンネルの長さは53850m(53.85km)で、未だに世界一長い交通トンネルの座に落ち着いていますが、新幹線が函館まで延びる予定と同じ2015年(2018年に延期される可能性が高い)に完成するスイスの「ゴッタルドベーストンネル」に抜かれることになります。長さは西側のトンネルが56978m(56.978km)、東側のトンネルが57091m(57.091km)で、最大土被り(トンネルとその真上の地面までの距離のこと。即ち地面からの深さ。)は約2000mになるそうです。岩盤の平均密度を水の2.5倍とすると、2000×2.5=5000で、深海5000mの水圧と等しくなります
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