劇場版「名探偵コナン沈黙の15分」の冒頭で開通した「都営地下鉄東都線」を「東京」の地下鉄と比較検証してみた

 今年公開された劇場版「名探偵コナン沈黙の15分」に登場した「都営地下鉄15号線東都線」を「東京」の地下鉄達と比較検証してみました。

結論から言えば、「東都線」は主に、

名称や首都高速道路との併走、東京都知事との絡みに関しては都営地下鉄「大江戸線」を、
車両や線路、駅などの設備に関しては東京メトロ「副都心線」

をモデルにしています。



都営地下鉄「大江戸線」と共通する点

「都営地下鉄15号線東都線」という名称
 「東都線」という名称は、都営地下鉄「大江戸線」をモデルにしています。どちらも首都名をとっていますからね。
 東京都知事絡みの話ということで、作中の「東都線」は「都営地下鉄」が経営する路線になりました。「都営地下鉄」が経営する点では「大江戸線」と共通します(「副都心線」は「東京メトロ」が経営)。ただし、「大江戸線」は12号線という扱いです。
 また、「東京」の地下鉄は全部で13本あるので、それとは別の架空の地下鉄を想定しているなら、順番からして14号線になるはずです。この映画が15作目で題名に15分とあるのでそれにあわせたのでしょう。14号線にしたら「14番目の標的」と被っちゃいますからね。

首都高速道路との2段構造
 「東都線」も「大江戸線」も、首都高速道路のトンネルと重なる2段構造です。しかも、作中の首都高速道路のトンネル名は「新山手トンネル」で、「大江戸線」と重なる「山手トンネル」とテラ似ています。両者が異なる点は、地下鉄と首都高速道路の上下関係です。「大江戸線」は「山手トンネル」の真下を、「東都線」は「新山手トンネル」の真上をとおります。作中では爆弾テロの都合上、実際と逆にしたのですね。しかし、作中ではあれだけの衝撃でよく死者が出なかったですよね。

大江戸線と山手トンネル 全体図 - コピー
 「大江戸線」と「山手トンネル」が2段構造をなしている場所の地図です。両トンネルが2段構造になっている距離は「大江戸線」のほうは約2.7㎞、作中の「東都線」は約1㎞と、多少異なります。その一方で、作中の路線図を見てみると「東都線」が「新山手トンネル」の進行方向から見て右側から合流し、しばらく併走して左方向へ曲がってそれていきます。この形は、実際の「大江戸線」と「山手トンネル」の絡みと同じです。そういうところは忠実ですね。

 
他の路線との立体交差
 作中の路線図をみると「東都線」は、「新山手トンネル」と並走する区間では2つの路線(道路トンネルか地下鉄かは不明)と立体交差します。実際、「大江戸線」も「山手トンネル」と併走する区間では上図のように「東西線」と「丸ノ内線」の、2つの地下鉄路線と立体交差します。作中の路線図が地下鉄路線を示すものだとしたら、これもまたしっかりした再現です。さらに、作中の「新山手トンネル」は、「東都線」と併走するまでの間1つの路線と立体交差します。実際の「山手トンネル」も「池袋」側の入り口から「大江戸線」と併走するまで1つの路線と立体交差します。(そのトンネルは「有楽町線」と「副都心線」の2路線からなりますが、2路線は2段構造で併走するため、1つの地下路線とみなすこともできる)。まあ、それぞれの路線の相対的な深さ関係は、実際とは異なりますよ。


東京都知事
 「大江戸線」と「東都線」を語るには、東京都知事の検証も必要不可欠です。なぜならば、「大江戸線」はもともと「東京環状線」と名付けられるはずでしたが東京都知事の「石原慎太郎」の鶴の一声で路線名が変わり、作中での「東都線」では東京都知事の「朝倉優一郎」を狙った爆弾テロが起きたからです。作中の「朝倉都知事」は、「石原都知事」に露骨に似てもいなく、似ていなさすぎでもないですね。髪型やら体格やらが多少似ているのでしょうね。ただ、確実に共通するのは、「朝倉都知事」も「石原都知事」も国土交通省の大臣を務めた経歴がある点です(「石原都知事」のころは運輸省)。日本の政治家の中では、比較的行動力のある姿勢も似ていますね。映画を見た範囲では、“きれいな「石原慎太郎」”を描写したと考えるべきか。
 名前もまた、多少似ています。名前の「優一郎」は、「石原慎太郎」とその弟の「石原裕次郎」からとったと思われます。また、名字の「あさくら」の「あさ」を1つ進めると「いしはら」の「いし」になり、「くら」を一文字変えると「はら」になります。



東京メトロ「副都心線」と共通する点

車両
 「東都線」の車両と駅の構造は、東京メトロ「副都心線」(「有楽町線」も)をモデルにしています。「東都線」の車両は「10000系」(もしくは10100系)で、「副都心線」と「有楽町線」を走る最新型車両の「10000系」と瓜二つです。
10000系
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Front_of_Tokyo_Metro_10000.jpghttp://ord.yahoo.co.jp/o/image/SIG=13b4r34ps/EXP=1324377387;_ylt=A3JvdkyrE.9OmKsAV7OU3uV7/*-http%3A//cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/skyjapan865/20111017/20111017222128.jpgより)
 左写真は、「副都心線」と「有楽町線」を走る最新型車両の「10000系」、右は「東都線」の車両です。「10000系」の先頭車両の正面中央には10000代の数字が張られ、下2桁が各々の車両ナンバーになっています(写真の車両は1番)。作中の「東都線」の車両は「10100」と下3桁で100になっています。車両番号自体が「10100」と、実際の「副都心線」や「有楽町線」にはない物を使っています。実際の「10000系」が100編成以上ないと10100という車両番号は使われませんからね(実際に「10000系」はそんなにたくさんない)。

Inside-Tokyometro1000-02.jpg
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a8/Inside-Tokyometro1000-02.jpg)より
「10000系」の車内です。作中の「東都線」の車両は外見だけでなく、車内の様子も本物の「10000系」(上の写真)と同じです。連結部分の貫通扉や荷棚が透明ガラスである点、吊革の形やイスの手すりなどは完全に一致します(ただし、イスや壁の色は若干違った)。

駅の様子(式典が行われた駅は、「副都心線」の「新宿三丁目駅」をモデルにしている)
 式典が行われた駅の構造は、「副都心線」と同じ吹き抜け構造になっています。では、「副都心線」のどの駅をモデルにしているのでしょうか?「副都心線」の駅で吹き抜け構造があるのは、「渋谷」、「明治神宮前」、「新宿三丁目」の3駅です。作中の駅のプラットホームは見た感じ、1面2線なので、2面4線の「渋谷駅」は除外です(吹き抜けの形も違う)。作中の吹き抜け構造をみると「新宿三丁目駅」と「明治神宮駅」のそれと吹き抜け穴の形や柱の形は似ています。ただし、吹き抜け穴についている手すりの形は「新宿三丁目駅」のそれと似ているため、「新宿三丁目駅」をモデルにしていると考えられます。「新宿三丁目駅」は、「明治神宮駅」と比較しても、東京都知事の根城である「東京都庁」に近く、急行が常に停車する駅です。やはり、作中でも開通式をやるのにふさわしい駅なのでしょう。

Shinjuku-San-chome_Platform_Fukutoshin_2.jpg
 (http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/7/77/Shinjuku-San-chome_Platform_Fukutoshin_2.jpg)より。
 「副都心線」の「新宿三丁目駅」構内です。作中での吹き抜けや柱の形、手すり、上の階のガラス窓などは、この写真と瓜二つですよ。

両駅とも、折り返し運転が可能な点
 また、作中の「東都線」の車両は、通常とは逆方向に発進していました。つまり、右側通行をしていたのです。「日本」の道路や鉄道は左側通行のため、作中の駅には線路間に渡り線があると考えられます。そして折り返し運転をすることが可能になります。これは、「新宿三丁目駅」と共通します(「明治神宮駅」にはない)。ただし、作中の駅と実際の「副都心線」の「新宿三丁目駅」の渡り線の配線は異なると思われます。それは、以下の図で説明します。

地下鉄東都線の駅
 「副都心線」の「新宿三丁目駅」と、作中の「東都線」の駅の配線図です(作成時間10分)。「東都線」の1番列車は右側通行発進したので、上図のような形の渡り線を通って左側通行に直す必要があるのです。一方、「新宿三丁目駅」の渡り線はそれとは逆の姿勢をしています。


線路
 線路の幅は、作中では狭軌(1067mm)に見えます。そうだとしたら、これもまた「副都心線」と共通します。上の車両の写真を見てみると、車両幅:線路幅の比率が「副都心線」と同じです。ちなみに、「大江戸線」は広軌(1435mmです。また、線路の間にはリニアモーターのコイルが設置されていますが、作中の「東都線」にはそれがありません。


その他、注目すべき点

トンネルの構造
 実際の「大江戸線」と「首都高速中央環状線」の「山手トンネル」は大半がシールドトンネルです。シールド構造になった理由は、両トンネルが深いことと、両者が別々の時期に作られたからと思われます。一方、作中の「東都線」と「新山手トンネル」は箱型です。箱型のトンネルは主に開削工法で造られ、比較的浅い場所に作られます。作中のトンネルはそれほど深くない、つまり既存の地下構造物とあまり交差しない場所に作られていると思われます。また、両トンネルは同時期に作られた可能性が高いです。なぜならば、箱型のトンネルはモグラのように掘り進んで造るシールドトンネルと違い、別々に造りにくいからです。これは、「大江戸線」と「山手トンネル」が重なる区間の途中にある「大江戸線」の「中井駅」と「中野坂上駅」が造られたと同時期に「山手トンネル」がその部分だけ建設され、「大江戸線」の両駅と「山手トンネル」のその部分が箱型トンネルで造られていることからもなるほど納得です。

東都線
 上図は、実際の「大江戸線」・「山手トンネル」の2段構造と作中の「東都線」・「新山手トンネル」の2段構造の断面図です。実際の「大江戸線」と「山手トンネル」はある程度の距離離れています。また、シールド構造のため、間の地山も多いです。対して作中の「東都線」と「山手トンネル」は箱型トンネルで、しかも車両の急ブレーキ音が「新山手トンネル」内にも響いていたこと、天井に仕掛けられた爆弾の爆発で簡単に大穴があいたことから、両者はほぼ接触、4つの箱型トンネルが合体した構造と思われます。
 逆に言えば、こういう箱型のトンネルが上下で接触する構造でなければ、作中の爆破テロは実現せず、「東都線」の車両が下の「新山手トンネル」に落ちるくらいの大穴が開かないといえます。つまり、実際の「大江戸線」・「山手トンネル」と違う構造にしたのは、上下関係同様、爆破テロ&車両のダイナミック滑走を実現させるためなのです。ただし、シールドトンネルのほうが、スケボーの壁天井走りがまだ合理的にできましたよねwww


速度
 「東都線」の車両は、プラスチック爆弾の爆破地点付近(あの爆弾、どうやって怪しまれずに仕掛けたんだろう?)では60km/hで走行していました。「東京」の地下鉄の地下トンネルにおける最高速度は65~80km/hのため、爆破地点付近は速度が制限されていたのか、ダイヤの余裕から最高速度で走行しなくてもすんでいたのでしょう。

 そういえば、劇場版第1作の「時計仕掛けの摩天楼」には、「東都環状線」の線路に仕掛けられたプラスチック爆弾が、車両の速度が60km/hを切ったら爆発するという事件が描かれていました。
コナン作品はプラスチック爆弾と爆破速度60km/hの絡みをよくもちますね。さらにいえば、両者とも、「どうやって怪しまれずに仕掛けたんだろう?」と考えてしまう仕掛け場所です。


参照↓
「名探偵コナン」に登場する「東都環状線」を「山手線」と比較検証してみた その1 駅名
「名探偵コナン」に登場する「東都環状線」を「山手線」と比較検証してみた その2 車両とダイヤ
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新幹線と在来線の、遅延時の接続調整について

 「日本」の鉄道はダイヤ全体が非常に正確ですが、別の列車への乗り継ぎの場合、接続駅へ到着する列車が遅延して接続駅を出発する列車の出発時刻に間に合わない場合は、後者の出発時間を多少遅らせて乗り継ぎの利便性を保っています。では、この場合は接続駅を出発する列車は、どれくらい遅延した列車の乗り換え客を待ってくれるのでしょうか?それは、新幹線と在来線で多少の違いがあります。

 基本的には在来線(私鉄も含める)の接続列車は15分くらいまでは乗り換え客を待ってくれます。そして、新幹線の接続列車は最大5分ほどを上限として、これを過ぎれば出発します。新幹線は一般的に運転本数と利用客が多いため、正確なダイヤ運行が要求されます。また、特急列車を含める在来線車両よりも高速運転を売りにしているため、あまり遅れをつくりたくないのです(短時間での長距離移動が新幹線の持ち味なので)。

 そういえば、遅延している在来線の列車から新幹線に乗り換える場合は、他の在来線の列車に乗り換える場合と比べて、予定通りの便に無事乗れる確率が低かった気がします。特に、運転本数が膨大で僅かな遅れでもダイヤに深刻な影響がでる「東海道新幹線」は、待ってくれることがほとんどないでしょう。指定席やグリーン席でなければ乗り換え遅れてもすぐ次の列車に乗れますからね(ただし、「のぞみ」停車駅にかぎる!?)。

「立山連峰」の雪渓が氷河かもしれない件について

 「日本」の秘境のひとつである「立山連峰」には、年間溶けきらずに残る、雪渓と呼ばれる雪だまりがあります。よーするに万年雪がちらほらあるのです。これらの雪渓が実は氷河である可能性がでてきました。現在の「日本」には氷河は無いとされ、極東における氷河の最南端は「ロシア」の「カムチャッカ半島」です。

富山・立山連峰に「氷河」 国内初か、1カ月30センチ移動 雪の下にある氷の塊が、日本初の氷河である可能性が高いと判明した富山県の立山連峰・雄山の御前沢雪渓=09年9月(立山カルデラ砂防博物館提供)
 富山県の北アルプス立山8 件連峰・雄山(3003メートル)の雪渓8 件で見つかった氷の塊「氷体」は、日本初の氷河である可能性が高いと、立山カルデラ砂防博物館(同県立山8 件町)の福井幸太郎学芸員が30日、都内で開かれたシンポジウムで発表した。

 8月下旬からの約1カ月間に最大で30センチ移動したという。福井学芸員は「氷河として確定するには長期間の観測が必要。今後、観測を数年間続けたい」と話した。

 福井学芸員は昨年9月、雄山の東側斜面にある御前沢雪渓を調査し、雪の下に長さ700~800メートル、幅最大200メートル、厚さ最大30メートルの氷体を発見。今年8月下旬、下の氷に達するまで雪渓の表面11カ所に穴を開けて衛星利用測位システム(GPS)の機器を設置し、氷体が移動するかを調べたところ、10月上旬までに水平距離で下流方向に6~30センチ動いた。

 さらに、10月上旬に露出していた氷体の中央部に別の機器を設置して高精度に調べたところ、5日間で3・2センチの移動を観測した。

http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010113001000577.html

 参考のために、氷河と万年雪と雪渓の定義を挙げます。

氷河
陸上に堆積した積雪とフィルンおよび氷からなる巨大な雪氷の集隗で,重力のもとで数年以上にわたり流動しているのもの


万年雪(専門用語で多年性雪渓)
雪渓が1年中、しかも数年以上にわたって溶けないもの


雪渓
高山など標高の高い場所の谷や沢の積雪が溶けずに残った地帯


 単純に考えれば、温暖←雪渓―万年雪―氷河→寒冷といえます。

 「日本」にもかつては氷河がありました。「立山連峰」をはじめとする高山に氷河地形が残っているのが証拠です。そして近年の「日本」には存在せず、雪渓や万年雪(多年性雪渓)が確認される状況でした。「立山連峰」の雪渓はかなりの年月溶けず、その1つの「内蔵助谷」の雪渓の中からは、300年ほど前の落ち葉が発見され、数百年間も積もった雪が溶けきらないとされています。ちなみに、一時期「立山連邦」にある雪渓が氷河か否か?論争になったこともあります。本当にここ最近で上述の定義のとおりに氷の塊があり、それが短期間動いていることがわかったのです。現在観測している「立山連峰」の「御前沢雪渓」が氷河であると完全に認定するには、これから数年間氷の塊が流動し続けていることを確認する必要があるそうです。
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