加速力の貢献 その3 「阪神ジェットカー」
「日本」で一番加速力の高い鉄道車両と言ったら、「阪神電気鉄道」を走る「阪神ジェットカー」です。動画がしっかりうpされているので、じっくりと見てみましょう。
上は発進する姿をホームから、中、下は発進してから次の駅に停車するまでの間を撮影した動画です。外から見ても、明らかに発進の様子が普通の列車と違います。下の動画から、発進後19~20秒で時速80kmに達しています。ブレーキ力も強く、次の駅には1分6秒後に到着しています。
「阪神ジェットカー」は今から50年以上前の昭和33年(1958年)に開発されました。初代の車両(「5001形」)は起動加速度4.5km/h/s(1秒に速度が4.5㎞ずつあがる)、常用減速度5.0km/h/s(1秒に速度が5.0㎞ずつ落ちる)というとんでもない加減速力を持ち、「日本」の高速鉄道車両内では今もこの記録は破られていません。80km/hまで25秒で加速し、1kmの距離を起動から停止までの動作を合わせても1分で走破できます。試運転時には6.5km/h/sでの試験も行い、最大8.0km/h/sまで引き上げることも検討されたましたが、乗客が多いと車両が重くなり、そこまで加速力を上げられないこと、8.0km/h/sの場合は全員着席状態が限界とされたこともあり、最終的には4.5km/h/sに落ち着きました。
参照↓
以下に、現役の鉄道車両の起動加速度を並べます。あの「京急」車両よりも凄まじい加速力です。
「阪神ジェットカー」:4.0~4.5km/h/s
「京急」の車両:3.0~3.5km/h/s
「山手線」等の車両:2.5~3.3km/h/s
「新幹線」車両:1.6~2.7km/h/s
現在の車両は、起動加速度4.0km/h/s、減速度4.5km/h/sと、従来よりも0.5km/h/sずつ落とされました。その代わり中・高速状態での加速力維持を上げたため(乗り物は、速度が上がるほど加速度は落ちる)、結果的に前の車両以上の性能となりました。起動から80km/hまで21秒、営業最高速度である91km/hまでも25秒となり、乗り心地も滑らかになりました。
「阪神電鉄」に「ジェットカー」が反映した理由
①駅間距離が短い
「阪神電鉄」は駅の数が多い分駅間距離が短いため、加速減速能力を上げてトップスピードの時間・距離を長くして、平均速度を上げて所要時間短縮を図ったのです。
②他路線、他車両との兼ね合いが少ない
車両の種類が多かったり、別路線と直通運転を行ったりすると、性能の異なる車両がとの調整が必要になります。加速減速能力が高くても、低い車両と間隔が詰まって結局その性能を生かしきれないのでは本末転倒なので、「ジェットカー」のような特異な列車を走らせる路線は少ないです(かつて、そういう路線はあったが、上述の理由でやめたらしい)。「阪神電鉄」は3年前に「近鉄」と直通運転を始めましたが、そこはうまく調整しているのでしょうか?
参照↓
『加速力の貢献 その1 「東海道・山陽新幹線」の「N700系」』
『加速力の貢献 その2 「上越新幹線」のE2系』
上は発進する姿をホームから、中、下は発進してから次の駅に停車するまでの間を撮影した動画です。外から見ても、明らかに発進の様子が普通の列車と違います。下の動画から、発進後19~20秒で時速80kmに達しています。ブレーキ力も強く、次の駅には1分6秒後に到着しています。
「阪神ジェットカー」は今から50年以上前の昭和33年(1958年)に開発されました。初代の車両(「5001形」)は起動加速度4.5km/h/s(1秒に速度が4.5㎞ずつあがる)、常用減速度5.0km/h/s(1秒に速度が5.0㎞ずつ落ちる)というとんでもない加減速力を持ち、「日本」の高速鉄道車両内では今もこの記録は破られていません。80km/hまで25秒で加速し、1kmの距離を起動から停止までの動作を合わせても1分で走破できます。試運転時には6.5km/h/sでの試験も行い、最大8.0km/h/sまで引き上げることも検討されたましたが、乗客が多いと車両が重くなり、そこまで加速力を上げられないこと、8.0km/h/sの場合は全員着席状態が限界とされたこともあり、最終的には4.5km/h/sに落ち着きました。
参照↓
以下に、現役の鉄道車両の起動加速度を並べます。あの「京急」車両よりも凄まじい加速力です。
「阪神ジェットカー」:4.0~4.5km/h/s
「京急」の車両:3.0~3.5km/h/s
「山手線」等の車両:2.5~3.3km/h/s
「新幹線」車両:1.6~2.7km/h/s
現在の車両は、起動加速度4.0km/h/s、減速度4.5km/h/sと、従来よりも0.5km/h/sずつ落とされました。その代わり中・高速状態での加速力維持を上げたため(乗り物は、速度が上がるほど加速度は落ちる)、結果的に前の車両以上の性能となりました。起動から80km/hまで21秒、営業最高速度である91km/hまでも25秒となり、乗り心地も滑らかになりました。
「阪神電鉄」に「ジェットカー」が反映した理由
①駅間距離が短い
「阪神電鉄」は駅の数が多い分駅間距離が短いため、加速減速能力を上げてトップスピードの時間・距離を長くして、平均速度を上げて所要時間短縮を図ったのです。
②他路線、他車両との兼ね合いが少ない
車両の種類が多かったり、別路線と直通運転を行ったりすると、性能の異なる車両がとの調整が必要になります。加速減速能力が高くても、低い車両と間隔が詰まって結局その性能を生かしきれないのでは本末転倒なので、「ジェットカー」のような特異な列車を走らせる路線は少ないです(かつて、そういう路線はあったが、上述の理由でやめたらしい)。「阪神電鉄」は3年前に「近鉄」と直通運転を始めましたが、そこはうまく調整しているのでしょうか?
参照↓
『加速力の貢献 その1 「東海道・山陽新幹線」の「N700系」』
『加速力の貢献 その2 「上越新幹線」のE2系』
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「郡上八幡」の鍾乳洞巡り その4 「郡上鍾乳洞」
「郡上八幡」市街から山を登って東へ向かうと、「郡上鍾乳洞」があります。「郡上鍾乳洞」は、ここいらで観光できる鍾乳洞の中でもかなり平坦な鍾乳洞です。個人が経営する洞窟のため、入れるのは土日祝日、夏休みに限られ、しかも不定期営業なので、行くには事前に確認が必要です。「郡上鍾乳洞」は、
「郡上鍾乳洞」は、このシリーズの一番初めに紹介した「蛇穴」(http://tarouroom.blog89.fc2.com/blog-entry-1315.html)につながっているという伝説があります。昔、ある人が「郡上鍾乳洞」の地下水路にお椀を流したら、数日後に「蛇穴」の出口からそれが出てきたそうです。確かに、両洞窟の立体的な位置関係や距離からそれも十分ありえそうです。洞内の地下水は飲めるため、それを汲んでいく人も結構います。
「郡上鍾乳洞」
全長:400m以上
観光できる距離:400m

入口です。洞内の地下水路から水が流れ出て、池が出来ています。

観光ルートは平坦で、「縄文鍾乳洞」や「美山鍾乳洞(次回紹介)」よりもスッキリ真っ直ぐです。

概要はこんな感じです。


洞内は、観光ルートに沿ってずっと地下水路が並行しています。枝分かれしている水路の奥にも未知の穴が続いています。

途中に、コウモリの糞が散乱していました。あれ?すぐそばに地下水路があります。つまり、飲み水ように汲み取る場所にもコウモリの糞が流れているということです。

少し進んだら、コウモリが十数匹ぶら下がって寝ていました。寝ているときは、羽を閉じて、折りたたみ傘状態になっています。

せっかくなので、コウモリと戯れてみました。少し触ったくらいではうっとおしそうに少し蠢きながらも起きる気配はありません。羽を少し開いてみたら、顔が見えました。


天へ通じる道です。石灰岩がきれいに真っ白になっているため、この名がついたのでしょうか?

こういう鍾乳石?は、どういう過程でこんな形になったのでしょうか?

どことなく、「東京ディズニーランド」の「トムソーヤ島」の洞窟的な雰囲気が漂います。

鍾乳華です。なにやら、雪の結晶が出来る過程のような作用で造られるらしいです。

海ゆりの化石があったっぽいですが、自分は発見できませんでした。

この鍾乳洞の観光通路は結構平坦ですが、縦長な場所もちゃんとあります。

猛獣の置物がありました。昔いた痕跡があったのでしょうか?

黄金ノ滝です。化学反応なんやかんやで岩肌が黄金色になっています。これらの水路はどこかへ流れさっていますが、これのどれかが、「蛇穴」へ通じているのでしょうか?

通路の直下に地下水路が通っていました。この洞窟も、多重構造になっているようです。

地下水路の向こうには、公開されていない道の穴がちらほらあります。


地底湖がありました。奥行十数m、深さは1~2mはあるでしょうか。水はだいぶ澄んでいました。この湖の地下にも穴がありそうです。

出口付近は10m弱の上り坂になっていました。

出口です。なにやら、ダム施設のトンネル入口みたいにしっかりした作りです。個人経営でも、気合が入っていますね。

だいぶ植生に覆われていますが、石灰岩の露頭がちらほら出ていました。
洞内から出たあとは、おばさんが地下水で煎れたコーヒーをご馳走になりました。おばさんの話では、コウモリが見られるのはわりかし珍しいとのことで、自分がここに行ったのはゴールデンウィークなので、それが目安です。
「郡上鍾乳洞」は、このシリーズの一番初めに紹介した「蛇穴」(http://tarouroom.blog89.fc2.com/blog-entry-1315.html)につながっているという伝説があります。昔、ある人が「郡上鍾乳洞」の地下水路にお椀を流したら、数日後に「蛇穴」の出口からそれが出てきたそうです。確かに、両洞窟の立体的な位置関係や距離からそれも十分ありえそうです。洞内の地下水は飲めるため、それを汲んでいく人も結構います。
「郡上鍾乳洞」
全長:400m以上
観光できる距離:400m

入口です。洞内の地下水路から水が流れ出て、池が出来ています。

観光ルートは平坦で、「縄文鍾乳洞」や「美山鍾乳洞(次回紹介)」よりもスッキリ真っ直ぐです。

概要はこんな感じです。


洞内は、観光ルートに沿ってずっと地下水路が並行しています。枝分かれしている水路の奥にも未知の穴が続いています。

途中に、コウモリの糞が散乱していました。あれ?すぐそばに地下水路があります。つまり、飲み水ように汲み取る場所にもコウモリの糞が流れているということです。

少し進んだら、コウモリが十数匹ぶら下がって寝ていました。寝ているときは、羽を閉じて、折りたたみ傘状態になっています。

せっかくなので、コウモリと戯れてみました。少し触ったくらいではうっとおしそうに少し蠢きながらも起きる気配はありません。羽を少し開いてみたら、顔が見えました。


天へ通じる道です。石灰岩がきれいに真っ白になっているため、この名がついたのでしょうか?

こういう鍾乳石?は、どういう過程でこんな形になったのでしょうか?

どことなく、「東京ディズニーランド」の「トムソーヤ島」の洞窟的な雰囲気が漂います。

鍾乳華です。なにやら、雪の結晶が出来る過程のような作用で造られるらしいです。

海ゆりの化石があったっぽいですが、自分は発見できませんでした。

この鍾乳洞の観光通路は結構平坦ですが、縦長な場所もちゃんとあります。

猛獣の置物がありました。昔いた痕跡があったのでしょうか?

黄金ノ滝です。化学反応なんやかんやで岩肌が黄金色になっています。これらの水路はどこかへ流れさっていますが、これのどれかが、「蛇穴」へ通じているのでしょうか?

通路の直下に地下水路が通っていました。この洞窟も、多重構造になっているようです。

地下水路の向こうには、公開されていない道の穴がちらほらあります。


地底湖がありました。奥行十数m、深さは1~2mはあるでしょうか。水はだいぶ澄んでいました。この湖の地下にも穴がありそうです。

出口付近は10m弱の上り坂になっていました。

出口です。なにやら、ダム施設のトンネル入口みたいにしっかりした作りです。個人経営でも、気合が入っていますね。

だいぶ植生に覆われていますが、石灰岩の露頭がちらほら出ていました。
洞内から出たあとは、おばさんが地下水で煎れたコーヒーをご馳走になりました。おばさんの話では、コウモリが見られるのはわりかし珍しいとのことで、自分がここに行ったのはゴールデンウィークなので、それが目安です。
世界で一番ホーム数が多い駅
それは、「ニューヨーク」にある「グランドセントラル駅」で、なんと44面67線もあります(頭端式ホーム等44本、発着番線67本)。
「日本」最大級の駅である「東京駅」の15面30線(JRや地下鉄をすべて含める)や「新宿駅」の18面30線(JR、私鉄、地下鉄をすべて含める)をはるかに上回ります。
ホームや発着番線が多く、駅の幅が広く取られているため、駅構内の両端の発着番線同士がUターンしてつながっている有様です。
発着番線はすべて地下にあり、上段41線、下段26線の2層構造をなし、すべての発着番線の線路は分岐器同士で繋がり、どこのホームからも「グランドセントラル駅」に乗り入れている3路線を行き来できます。これは、新幹線やJR在来線、私鉄や地下鉄などが完全に分離されている場合が多い「日本」とは一線を画しています。
さらに、駅自体が豊富な数の発着番線を車両の留置に利用し、繁忙時間帯に一気に発着させる、完全に車両基地の機能を持ち合わせています。
「日本」最大級の駅である「東京駅」の15面30線(JRや地下鉄をすべて含める)や「新宿駅」の18面30線(JR、私鉄、地下鉄をすべて含める)をはるかに上回ります。
ホームや発着番線が多く、駅の幅が広く取られているため、駅構内の両端の発着番線同士がUターンしてつながっている有様です。
発着番線はすべて地下にあり、上段41線、下段26線の2層構造をなし、すべての発着番線の線路は分岐器同士で繋がり、どこのホームからも「グランドセントラル駅」に乗り入れている3路線を行き来できます。これは、新幹線やJR在来線、私鉄や地下鉄などが完全に分離されている場合が多い「日本」とは一線を画しています。
さらに、駅自体が豊富な数の発着番線を車両の留置に利用し、繁忙時間帯に一気に発着させる、完全に車両基地の機能を持ち合わせています。