「えちぜん鉄道」の「北陸新幹線」間借り その2 「福井駅」

 今回から、現地の写真を交えて解説します。まずは、「福井駅」です。

現在、「福井駅」は全体の高架化の真っ最中です。「北陸新幹線」、「北陸本線」、「えちぜん鉄道」のうち、「北陸本線」は高架化完了、「北陸新幹線」は「福井駅」部とそれより「金沢」側の800mが先行高架化され、現在「えちぜん鉄道」の高架化工事が始まっている状況です。

 「北陸新幹線」の高架橋は基礎部ができている状態で、新幹線用の線路や架線、プラットホームや建屋はまだ未設置です。そんなどだいに「えちぜん鉄道」に必要な最小限の設備が造られています。

高架橋下より
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 まずは、「福井駅」のプラットホームをしたから見上げてみます。新幹線の高架橋自体が豪勢なため、2両編成の車両がかなり違和感あります。高架橋は必要最低限造られていて、線路脇の壁も未設置です。

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 もう少し近くから見てみます。「福井駅」より「敦賀」方面はまだ造られていません。手前の空き地は「えちぜん鉄道」の本来の用地で、ただいま高架化工事の準備中です。前回の記事の空中写真では線路が見えましたが、今はありません。

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 「敦賀」方面から撮影。高架橋がスパッと途切れています。まだ建設途中なのが露骨にわかる珍しい形です。


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 こちらが高架橋真下の「えちぜん鉄道」の仮駅改札口です。かなり簡素な造りです。

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 階段も完全な仮設です。両側は金属板で囲われ、単管パイプを組み合わせた雨よけが取り付けられています。将来新幹線ができた時はちゃんとした設備になるでしょう。


プラットホームより
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 次にホームへ登りました。線路はもちろんのこと、プラットホーム、枕木、架線、バラストなどなど高架橋の躯体以外はすべて仮設です。冒頭でも語りましたが、壁すらないので結構迫力があります。「北陸新幹線」の高架橋は、この辺りではスラブ軌道ですが、「えちぜん鉄道」用にスラブ軌道の路盤の上にバラストや枕木などが置かれました。

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 「えちぜん鉄道」の車両は基本2両編成なので、この設備にはかなりちっちゃいです。ホームは仮設のため、「えちぜん鉄道」の車両に合わせた規格になっています。

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 終端側の線路は、ホームよりもかなり先まで延びています。かつて車止めを突き破った事故がほかの鉄道路線で起きたため、その対策で余裕を持たせたのでしょうか?先っぽにも壁がないため、線路を越えたら下に落ちます。
 「北陸新幹線」の線路は当然ここが終点でないため、この先にも用地が確保されているのがよくわかります。

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 新幹線用のスラブ軌道のコンクリート路盤の上に「えちぜん鉄道」用の枕木と線路が乗っかっている様子です。さりげない景色ですが、こんなものめったにお目にかかれません。枕木の間に円柱のコンクリートの柱が出ていますが、これがスラブ軌道の基礎部の突起で、新幹線を造るときにこの突起とスラブ軌道をかみ合わせます。

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 さらには、スラブ軌道の路盤の上にバラストまで積まれています。バラストが周りに崩れ散らないように、端に壁が造られています。

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 ホームの端から「福井口」方面を撮影。写真中央手前の基礎部は、恐らくプラットホームの基礎です。

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 奥を少し拡大。「えちぜん鉄道」用の線路は、新幹線の軌道路盤とあまり関係な配線されています。これを実現するために、スラブ軌道基礎の上にバラストをジャラジャラ盛土状に積み上げています。

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 さらに奥を拡大。右側にスラブ軌道の路盤がすでに造られています。円柱の支柱がちゃんと並んでいます。新幹線は、この路盤に沿って「えちぜん鉄道」よりも緩やかに進みます。

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 少し右に視点を移すと高架橋全体が見渡せます。写真中央に「新福井駅」、右端に現在完成済みの高架橋の端部と、その先の地上との接続線が辛うじて見えます。

おまけ
 写真を撮りに行ったのは3月27日でした。この時は全く考えていませんでしたが、この日は 「福井鉄道」の「福武線」の「越前武生駅」~「えちぜん鉄道三国芦原線」の「鷲塚針原」間で相互直通運転を開始し、同時に「福井駅前」を「福井駅」西口広場に移設した日でもありました。

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 今までは路面電車の線路は「福井駅」からちょっと離れた場所で途切れていましたが、143m延長されました。この路面電車にも「ヨーロッパ」っぽい車両が増えてきました。

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 かつては「福井駅前」の線路は1本線でしたが、2本線に増えていました。
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「えちぜん鉄道」の「北陸新幹線」間借り その1 全体を俯瞰


 もはや過去のものとみなされた、ほかの鉄道路線の´堂々とした´新幹線路線間借りは、現在も続いています(ただし期間限定)。それは、「福井」の代表的な鉄道である「えちぜん鉄道」の「福井」~「福井口」間で、すでに基礎が完成している「北陸新幹線」の高架橋、約0.8㎞の区間です。

 「えちぜん鉄道」のこの区間は、もともと「北陸本線」と「北陸新幹線」に並行しています。「北陸新幹線」建設と並行して「えちぜん鉄道」を高架化する際に、仮線を造る必要がありました。そこで先にできた「北陸新幹線」の高架橋を間借りすることでこの問題を解決。平成27年(2015年)9月23日~高架化工事が終わる平成30年(2018年)秋の、約3年間限定の間借りとなりました。

 現在でも「瀬戸大橋」などをはじめとして新幹線を間借りする例はいくつかありますが、路線が駅ごと堂々と新幹線構造物を間借りする例は、今から53年前の「阪急京都本線」の「東海道新幹線」間借り以来です。間借り区間の途中に駅があるため、新幹線の高架橋に直接足を踏み込める大変貴重な名所です。

まずは、地図(グーグルマップ)や空中写真(Google earth)からその全貌を見てみましょう。
googlemap.jpg
 間借り区間は、「えちぜん鉄道」が分岐する「福井口」~「福井」の区間にあり、「福井駅」と「新福井駅」のホームは新幹線の高架橋にすべて乗っかっています。

配線図
 間借り区間のおおよその路線関係です。本来青い線に沿う「えちぜん鉄道」が、「北陸新幹線」の赤ルートに乗り入れているというわけです。

間借り区間全体
間借り区間全体
 一番上が「北陸本線」、真ん中が「北陸新幹線」の高架橋、一番下の線路は「えちぜん鉄道」の線路です。写真左の「福井駅」ホームから右端まで「北陸新幹線」の高架橋が完成しています。「えちぜん鉄道」の線路は、この完成した高架橋全てを間借りしています。

「福井駅」
福井駅
 「福井駅」部です。一番上が「北陸本線」、真ん中が「北陸新幹線」の高架橋で現在「えちぜん鉄道」が間借りしています。一番下の線路は本来の「えちぜん鉄道」の線路です。

福井駅 拡大

1面2線2
 「福井駅」の部分を拡大してみました。「北陸新幹線」の高架橋に線路がはっきりと映っています。この線路は新幹線のためでなく、「えちぜん鉄道」のために敷かれています。「北陸新幹線」の高架橋には、新幹線用のプラットホームが一部出来ていますが、写真をよく見るとそのごくわずかな区間にプラットホームの屋根が見えます。この屋根は「えちぜん鉄道」の間借りのために造られました。
 本来の「えちぜん鉄道」の位置にはまだ線路がはっきり見えています。まだこの写真が撮影されたときは間借りの準備中で、実際の列車は本来の線路を通っている状況です。

「新福井駅」
新福井駅
 「新福井駅」は、本来なら新幹線の駅なんぞ絶対にできない場所にあります。なので新幹線の高架橋にはホームや駅舎を置くスペースはありません。なので、プラットホームを極力細くして無理やり新幹線の高架橋内に収め、駅舎を外側に張り付かせています。しかも、隣のプラットホームへ移るのに踏切を通るため、線路を横断することになります。つまり、最も間借り感を近くで感じられる駅です。新幹線上のホームが本来のホームとぴったり並んでいます。

接続線
間借り教会
 「北陸新幹線」の高架橋が完成しているのは0.8kmの区間のみで、途中で途切れています。ここで「えちぜん鉄道」の間借りは終え、途切れた高架橋から地上へ34‰の急勾配で下っていきます。

「福井口駅」
間借り境界2
 「えちぜん鉄道」のジャンクション駅である「福井口」です。ここでも新しい仮ホームが造られています。様々な配線やスペースの関係上、少し離れたところにあります。まだ間借りの準備中で、新しい線路は途切れ途切れになっています。「北陸新幹線」の高架橋は、「えちぜん鉄道」とほぼ並行して造られていきます。

次回から現地の様子を挙げていきます。

ループ線専門のブログ

 かなり久しぶりですが、ほかの方のブログ紹介をします。
 内容は、世界のループ線をとことん紹介するものです。しかも超有名なものからマイナーなものまで地図上でのさらっと紹介だけでなく、線路スペックや歴史などをかなり詳しく解説しています。

 自分としては、こういうジャンルのサイトは何年も心待ちにしていました。何故かといいますと、世界のループ線をこれだけ扱った書籍やサイトが見当たらなかったからです。ループ線はその手の人が食いつきそうな分野ですが、「世界のループ線大図鑑」なる情報源が不思議なくらいになく、あっても断片的でした。いったいどうすればこれだけの情報が得られるのかとても気になります。

 今後閲覧や動画づくりなどでこのサイトにはお世話になるかもしれません。

リンク先です。
『ループ線マニア  世界の山岳鉄道愛好会』

【動画】 『鉄道登山学 その11 新幹線と勾配 -「北陸新幹線」の「飯山」越え-』

 「北陸新幹線」シリーズ3部作のうち最後の動画を投稿しました。今回は、もう一つの30‰勾配多発地域の「飯山トンネル」を解説します。ただし、メインはかつて計画されていた「長野」~「富山」間を「立山連峰」直下を走るトンネルで一気に結ぶ構想について、そしてトンネル史上最悪の地質ともいわれた「ほくほく線」の「鍋立山トンネル」になります(「飯山トンネル」に近く地質も似ているとされていたため、両社は実は密接な関係)。なんだか「飯山トンネル」がサブになった感です。

 なお、「北陸新幹線」の「立山トンネル」ルートと断面図はほぼ推定妄想で書いています。よく考えてみれば、実際は「長野」中心街をもっと避けるルートが現実的です。



次回予定
【動画】 『鉄道登山学 その12 新幹線と勾配 -「九州新幹線」の35‰-』

 やっと次の路線に移れます。これで現役新幹線はすべて網羅できますが、たぶん「鉄道間借りシリーズ」の方がさきにうpされそうです。

かつて計画されていた新幹線ルート その4 長野~富山 追記:妄想平面図と断面図

現在建設されている北陸新幹線の長野~金沢の間ですが、あと6年で開通予定です。ルートは長野から飯山と上越南部をとおり日本海側に抜けてから北陸本線と若干離れて並行しつつ、富山へ向かいます。地図で見ればかなり大回りをしていますが、かつては長野から真西に向かい、白馬を横切り立山連峰を貫いて直接富山平野に出るルートが考案されていました。

北陸新幹線
 こちらが長野~富山の間のルート図です。緑色の線が実際に建設されているルート、赤色の線がかつて候補に上がっていた理想のルートです。詳しい試料が無かったため、適当にひきました。こんな感じだと思っておいてください。

 こんな計画もあったのですが、お察しの通り、立山連峰は3000m級の山々がそびえる大山脈で、断層破砕帯、火山帯でもあり地質が非常に悪いです。←日本ってこういう場所ばっか、だから工事が予定より遅れるんです
 そこを貫くにはあまりにも手間がかかり且難工事が予想されること、飯山、上越地域の自治体の誘致運動も合い極まり、現在のルートになりました。もし、立山連峰を貫くルートで建設されれば、路線距離が現在のルートより約60kmも短縮され、勾配も緩やか?になり高速運転が可能なため東京~富山の間を2時間以内で(1時間40~50分くらい?)走破できたかもしれません(現在のルートでは2時間10分)。

追記:妄想平面図と断面図

 製作中の動画のために、この「立山トンネル」の平面図と断面図(完全に推定妄想)を造りました。

「立山トンネル」の推定スペック
全長:約70㎞
現在世界一の「青函トンネル」は53.85㎞、
世界一になる「ゴッタルドベーストンネル」は57.09㎞

土被り:約2000m
現在日本一の「大清水トンネル」は約1300m、
世界一になる「ゴッタルドベーストンネル」は約2300m

「高熱隧道」の場所を通る可能性(岩盤温度が最高166℃になった地熱地帯)



平面図

立山トンネル平面図
 外側線が黄色になっている部分が「立山トンネル」です。線路標高は、当時(今から30~40年前)10km以上連続するなら望ましいとされた最急勾配の12‰として考え、100mごとに色分けしています。「長野」~「富山」間の距離から、推定最高標高は650mです(ずっと12‰勾配を連続させてた場合)。

断面図
立山トンネル断面図12‰のみ - コピー
 こちらは断面図です。ウォッちずから「立山トンネル」沿線の地形をめちゃくちゃ大まかに再現しました。「立山トンネル」が構想されていた頃提唱された12‰ルートと、現在の新幹線なら可能である30‰ルートで造ってみました。
 12‰ルートでは、谷地形である「白馬」(標高700m以上)ですらギリギリ地上に出られず、「長野盆地」~「富山平野」の間、約70㎞が全てトンネルになります。
 30‰ルートでは、「白馬」や「黒部峡谷」などで地上に出るため、トンネルの長さは長くても20km台となります。まるで「リニア中央新幹線」の「赤石山脈」越えのような展開です。ただし、雪や落石対策でトンネル間はシェルターで覆われて実質ほとんどがトンネルになるでしょう。
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