三線以上の軌条 その3 三徳線路と四徳線路

 前回紹介した四線軌条は、2種類の軌間をもつ、いわゆる二徳線路でした。しかし、世の中にはそれを上回る三徳線路や四徳なるものがありました。つまり、4本の線路で3、4種の軌間をもつという、カオスな線路です。ちなみに、これらの鉄道写真は英語版Wikiに載っています。

四線三徳線路

Triple_Gauge_Australia.jpg
 四線軌条の三徳線路の図です。4本の線路を巧妙に配置して1067mm、1435mm、1600mmという3種の軌間を作り上げています。

オーストラリア・グラッドストーン操車場内の四線軌条(1600mm,1435mm,1067mm
 「オーストラリア」の「グラッドストーン操車場」にある三徳線路です。軌間は1067mm、1435mm、1600mmです。上の断面図と同じ配置をしています。

Quadruple_gauge_rail_tracks_at_Alan_Keef_works.jpg
 こちらは「イギリス」の三徳線路です。写真を見る限りではいくつかの軌間は使用されてなさそうですが、複雑すぎて何が何だかわかりません。一番上の図を参考にどの線路をどう使うか想像して見てください。

現役の三徳線路です。昔はもっと多くあったものの廃止されて、以下の地域で残っています。

「フランス」:ラトゥール・ド・キャロル: 1,000 mm、1,435 mm、1,668 mm

「フランス」:アンダイユ: 1,000 mm、1,435 mm、1,668 mm

「スイス」:モントルー: 800 mm 、1,000 mm 、1,435 mm

「オーストラリア」:Jenbach :760 mm 、1,000 mm、1,435 mm



五線四徳線路(構想?)
Dual_Gauge_Afghanistan.png
 構想に終わったのか、実際にどこかで使われたのか?5本の線路を使った4種の軌間を持つせんろが図面にありました。1067mm、1435mm、1524mm、1676mmの軌間を持ちます。旅客路線や分岐器にこんなものが使われたらとてつもなく複雑になるでしょう。英語版Wikiによれば、世界のどこかの車両基地には4種の軌間を持つ線路があるようです。


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三線以上の軌条 その2 四線軌条

 今回は、四線軌条を紹介します。

 四線軌条は、2種の軌間を同じ路盤に乗せるもので、目的は三線軌条と同じです。違いは、4本の線路を使用している点です。三線軌条では、四線軌条と比べて使用レールが少なく構造もシンプルになりますが、狭い軌間を走る列車の重心が広い軌間を走る列車の重心とずれるため、駅のホーム通過時に支障になります。そこで両列車の重心を一致させるために、狭い軌間の線路を広い軌間の線路の間に置くようにし、これが四線軌条となりました。

普通の四線軌条
橿原神宮前no
 四線軌条は構造が複雑なため、列車本数が多く線路の負担が大きい「日本」ではほとんど見られません。ごく一部の車庫(軌間の異なる路線を共有する車両基地)などで見られます。
 写真は「近鉄」の「樫原神宮前駅」の構内です。この駅では軌間が1435mmの「樫原線」と1067mmの「南大阪線、吉野線」が乗り入れ、車庫では両線路が入り組みます。そこで、一部の線路が四線軌条になっています。1435mm軌道の間に1067mm軌道が入っています。


軌間が同じな四線軌条:ガントレット(単複線)
Gantlet_rough_sketch_penpen.png
 以前に紹介しましたが、ここでも再びあげます。複線路線でも、用地が狭くて単線にせざる負えない場所があります。こういう時は分岐器で単線化することが多いですが、中には線路が完全に合流せず、互いをわずかにずらして重ね合う方式が取られることがあります。これをガントレット(単複線)といいます。
 言い換えれば軌間の同じ四線軌条です。

028140_tramlink_mitcham.jpg
 「イギリス」のガントレットです。かつては「日本」にもありましたが、今は廃止されてありません。


互い違いな四線軌条
 四線軌条は「日本」の場合、両列車の重心を一致させるために2種の軌道の中心位置が同じになっています。つまり、広い軌間の真ん中に狭い軌間を置いています。しかし、なかには先ほど挙げたガントレット(単複線)のように2種の軌道を少しずらして配置することがあります。
800px-Haparanda-Tornio_rail_bridge_Sep2008.jpg
 次は「スウェーデン・フィンランド」国境の四線軌条です。1435mmと1524mmの軌道が互い違いに重なっています。両軌道の幅差は89mmしかなく、とても狭い軌道を広い軌道の真ん中に置けません。そのため、互い違いに配置しています。

Mixed 1520 and 1435 mm gauge on Lithuanian part of Rail Baltica line between Mockava and Šeštokai
 こちらは「ロシア」です。軌間は1435mmと1520mmと、上の写真よりさらに幅さが少なく85mmです。

四線⇔三線切り替え
800px-Kriens_Uebergangsweiche_20121203S133d.jpg
 四線軌条と三線軌条の境界がありました。「京急」の「六浦駅」にある特殊分岐器で切り替えます。場所は「スイス」です。


四線軌条の分岐器
 もはや余計な説明不要です。すごく複雑です。少ない線路に多くの列車が走り負担が大きい「日本」の旅客路線ではまず採用されないでしょう。
800px-CFBS_track.jpg
 四線から一方向が普通の二線に分岐します。複雑です。そして、左側の線路間隔が狭すぎです。

493px-Double_écartement_CFBS
 何も言えません。ただただ圧倒されます。

三線以上の軌条 その1 三線軌条(主に海外)

 これから、三線軌条とそれをはるかに超える軌条を紹介していきます。まずは、基本の三線軌条を外国の事例から紹介していきます。
 「日本」の三線軌条は以下の記事を参照にしてください(「京急」の場合)。
『「京急」の三線軌条 その1 概要』
『「京急」の三線軌条 その2 「六浦駅」の不思議な分岐器』

Dual gauge, 1,435 mm (4 ft 8 1⁄2 in) standard gauge and 914 mm (3 ft) track in Cuzco, Peru
 「ペルー」の三線軌条です。軌間は1435mmと914mmで、幅比は約1.57倍です。「日本」によくある三線軌条(1435mmと1067mmの幅比約1.34倍)と比べてかなり比が違います。

n Jenny, Sweden, the narrow gauge leaves the standard gauge
 「スウェーデン」の三線軌条です。標準軌と狭軌で軌間幅は不明ですが、恐らく1435mmと「スウェーデン」仕様の891mmでしょうか。それならば幅比が約1.61倍です。

Huesca_carril.jpg
 「スペイン」の三線軌条です。軌間は1668mmと1435mmで、幅比は約1.16倍です。かなり密になっています。

800px-Mixed-gauge-trackwork-north-geelong.jpg
 「オーストラリア」の三線軌条です。軌間は1600mmと1435mmで、幅比は約1.11倍で、非常に密になっています。この幅比が最下限値に近いのでしょうか。おまけに分岐器です。かなりの試行錯誤が感じられます。

450px-Dualgaugedevice.jpg
 同じく「オーストラリア」の三線軌条です。以前紹介した「京急」の「六浦駅」のあの分岐器と同じ形の分岐器(狭い軌間の方を反対側へ移動させる型)がありました。こちらの幅比も上の写真とおなじです。
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