加速力の貢献 その1 「東海道・山陽新幹線」の「N700系」

 鉄道車両は駅間の所要時間が短縮する際、新型車両が登場する際に最高速度の向上が一番注目されます。それが一番わかりやすいですからね。しかし、速度性能を上げなくても所要時間が短縮する方法はあります。その一つが加速力です。

 特に新幹線車両は速度が高いため、加速性能(最高速度に達するまでの時間)も所要時間短縮(言い換えれば平均速度の向上)に非常に大切です。また、新幹線は在来線の車両と比べて加速力の低いため、加速力を上げることは弱点補強にもなります。(←車で言う“高速ギア”で走っているようなものだから)。まずは「東海道・山陽新幹線」の「N700系」の例を挙げます。

 「N700系」は、平成19年(2007年)に「東海道・山陽新幹線」に登場した車両です。「東海道新幹線」では平成4年(1992年)に「のぞみ」が登場して以来「300系」、「500系」、「700系」が最高速度270 km/hで疾走し、「東京」~「新大阪」間を2時間30分で結んでいましたが、「N700系」の登場で同区間の所要時間が2時間25分に短縮されました。「N700系」もまた、「東海道新幹線」では最高速度は270 km/hと、今までと変わりません。それでも5分の短縮が実現した理由が2つあります。車体傾斜装置の導入と加速性能の向上です。前者は、「N700系」登場時にテレビや新聞でさんざん取り上げられた機能で(←新幹線で初めて導入された機能なので)、これで半径2500 mの曲線を270 km/hを維持して走行できるようになり(今までは255 km/h)、その分所要時間が短縮されました。後者についてですが、今までの車両の大半が起動加速度1.6 km/s(「700系」は2.0 km/s)に対して「N700系」は2.6 km/hと、大幅に向上しました。ただ、加速力は世間体では地味な存在らしく?注目度は低かったようです。最高速度に達する時間が短縮された分、平均速度が上がり結果所要時間が短くなったのです。「N700系」により「東京」~「新大阪」間の所要時間が5分短縮されましたが、これを分けると車体傾斜装置の導入により2分分、加速性能の向上により3分分短縮されました。なんだか世間に注目された車体傾斜装置よりも注目されなかった加速性能の方が貢献度は高いですね。
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