日帰り「佐渡金山」の旅 その3 「宗太夫坑」

 8:30、ついに「佐渡金山」の観光用坑道の1つである「宗太夫坑」に辿り着きました。

 「佐渡金山」は慶長6年(1601年)に発見されて以来、平成元年(1989年)までの388年にわたり採掘されてきた日本有数の金山です。坑道の総延長は約400 kmにもおよび、そのうちの710mが観光用として公開されています。坑道は3次元にわたり網のように張り巡らされ、最深部は海面下約500mに及んでいるそうです(現在は多くが水没している?)。「佐渡金山」とその周辺の大部分がは非常に硬い玄武岩質安山岩で構成され、一部に凝灰岩や断層破砕帯が認められます(そんなのどーでもいいしー)。金はその中の石英脈中に含まれ、その帯(要するに鉱床)北向きに急角度で傾斜し、それに沿うように坑道が張り巡らされています。

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 江戸時代(慶長8年(1695年))に描かれた坑道の立体地図です。300年も前にこれだけの坑道が地下に張り巡らされていたのです(この地図は横幅で少なくとも3km分はある模様)。

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 断面図もあります。当時はすでにこれだけの立体図や断面図を海抜や土かぶりなどを交えて正確に3次元座標として表現する測量技術が応用されていたそうです。写真左下を通るまっすぐした赤い太線は、「南沢疎水坑道」という全長922mの排水路です。地中の硬い玄武岩質安山岩などをくり抜いた高さと幅が3m台の巨大な坑道で、現代と比べて非常に簡易で原始的な測量器具を用いて数か所から同時に掘削されましたが、貫通時の誤差は横方向にが3m、縦方向にわずか1mだったそうです。

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 観光用坑道のまわりにもこのような坑道の入り口がばかすか開いています。

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 観光用坑道の一つの「宗太夫坑」です。坑道は江戸時代に掘られたものです。坑道名は、発見者や採掘代表者の人名からとることが多いそうです。

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 坑道内には、江戸時代の採掘風景を再現する人形や道具が展示されていました。これらが電動式で動いてときどき音声も発せられます。わかりやすいけど不気味ですね、夢に出そうです。写真左側にある円柱の道具は、水をくみ出す回転式人力ポンプです。これ、休むことなく人力で動かしているんですって。

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 鉱床・鉱脈が発見されると(もしくは定期的に)、洞内でこのような儀式が行われていたそうです。写真中央部にある白と黒の縞模様(縦方向)になっている露頭部分が金鉱床・鉱脈です。

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 正面から向き合って目が会うと、「こっちみんな」と言いたくなりますね。

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 これが、金鉱石です。よーく見ると金の破片が散らばっているのがわかります。写真ではよく見えないと思うので、よく見たい方は「佐渡島」へ行ってください(宣伝)。昔の人は、よくあんな山の中にある石ころから金を発見、採掘しましたね、凄いです。

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 そしてこれらの鉱石から金を抽出していくとこうなります。

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 重さが約14kgもある金の延べ棒です。展示ケースには片腕しか入れられないため、持ち上げるのが大変です。

 「佐渡金山」は、何気に学生時代や今の自分の担当分野と被ることの多い非常に興味深い場所なので、ブログでは細かく取り上げたくこんなにオタ解説が加わってしまいました。母校のおじ様達がすぐ隣にいらっしゃったら、きっと以下のような音声が観測されることでしょう。

その1:「うわー、坑道すげー」と、タモリ倶楽部の会員のようなテンションになる
その2:「これ何て石?何でそう思うの?破砕帯どんな姿勢だった?ほんとに合ってるのかぁ?」と面倒な笑顔で突っ込む(坑道内は恐らく速足で通過する)
その3:「ほわぁ~!見事な鉱床ですねぇ~」と切り出して、ためになるうんちくを語り続ける(←「もやしもん」の「樹教授」のように)。

 次回は近代化の名残が見られる「道遊坑道」を紹介します。
 
坑道のルートマップはこちら(http://www.sado-kinzan.com/course/douyuu/より)です。「宗太夫坑」は朱色、「道遊坑」は緑色です。
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この記事へのコメント

- ヒバリ - 2010年06月18日 07:12:41

人形がリアルすぎて怖いです。

14kg×1000(kgをgに変換)×0.38万円(今の1gあたりの金の価値)
=5320万円
の金ですか。

大学のときの懐かしい(忌まわしい?)記憶ですな。

- 太郎 - 2010年06月20日 21:53:14

>ヒバリさん
 他の観光客がいないときは気楽に写真を撮れるけど、不気味なんだよなあ。昔の値段はいくらだったんだろう?

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