停車駅が多くても少なくても所要時間が変わらない「東海道新幹線」の「ひかり」

 鉄道は基本、停車駅が少ないほど走る区間の所要時間が短くなります(多ければその逆)。しかし、停車駅数が変わっても所要時間が変わらないことがあります。ここでは、「静岡」に停車する「東海道新幹線」の「ひかり」を例に挙げます。

 現在、「静岡」に停車する「ひかり」は、早朝と夜を除いた日中は上下線ともぴったり1時間の周期で運転されています。「東京」~「静岡」間では

「東京」→「品川」→「新横浜」→ レ →  レ  → レ → レ →「静岡」
「東京」→「品川」→「新横浜」→ レ →「熱海」→ レ → レ →「静岡」
「東京」→「品川」→「新横浜」→ レ → レ →「三島」→ レ →「静岡」
(上り列車は矢印の向きが逆)


と、「新横浜」~「静岡」間の駅には全く停車しない場合、もしくは「三島」か「熱海」のいずれか1駅に停まる場合があります。新幹線の場合、1駅停車すると停車しない場合と比べて全体の所要時間が4~5分延びます(停車時間が1分の場合)。しかし、現在のダイヤでは上述の場合、いずれも「東京」~「静岡」間の所要時間は、上り列車が64分、下り列車が63分に統一されています。

 この「ひかり」は、「静岡」~「新大阪」間では現在は停車駅の数が統一されているため、所要時間も全ての便で同じです。しかし、かつては「静岡」~「名古屋」間でも

「静岡」 → レ →  レ  → レ → レ →「名古屋」
「静岡」 → レ →「浜松」→ レ → レ →「名古屋」
「静岡」 → レ → レ →「豊橋」→ レ →「名古屋」
(上り列車は矢印の向きが逆)


と、3種類の停車パターンがあり、そこでも「静岡」~「名古屋」間の所要時間は統一されていました。

 この所要時間統一の試みは、「静岡」に1時間ごとに「ひかり」を停めるようになった平成元年(1989年)ごろから始まり?、「のぞみ」が登場して「静岡」停車の「ひかり」が「静岡」で「のぞみ」を待避するようになった平成5年(1993年)に定着して、現在に至っています。停車駅が少ない列車に関してはその分所要時間を短くすればいいように見えますが、それをしなかったのは、ダイヤを完全に統一するためなのです

 「静岡」などの中規模都市の駅に「ひかり」を停める前は、「東海道新幹線」のほとんどの列車は途中「名古屋」と「京都」の実に停車する「ひかり」と各駅停車の「こだま」の2種に区分されていました(「新横浜」」や「米原」に停車する例外もわずかにあった)。この停車パターンは、各駅の利用者数を計算に入れて設定していますが、停車パターンを統一させてダイヤを簡潔にする(←当時の信号システムにやさしく)、という目的もありました。年々「東海道新幹線」の運転本数が増大する中で、「停車パターンの異なる「ひかり」を入れてダイヤを複雑にしたくない!」という本音があったのです。

 このことから、「静岡」などの中規模都市の駅に停車する「ひかり」を設定した時から、ダイヤの複雑化を最小限に抑えるために、その「ひかり」の所要時間を統一させていったのです。

 所要時間を統一させる方法は、列車の速度調整です。現在、「熱海」や「三島」を通過する「ひかり」は「熱海」~「静岡」間で減速して、「熱海」や「三島」に停まる「ひかり」に所要時間を合わせています。(「浜松」、「豊橋」をも通過していた時代は、「静岡」~「豊橋」間でも減速運転をしていた)。停車駅の少ない「ひかり」で走っているときに「あれれぇ~?さっきと比べてなんだか遅いぞ~」と感じるのは、その区間で時間調整のための減速運転をしているからなのです。利用者からしたら「あっ!この「ひかり」は途中停車駅が少ないから少し速く移動できるんじゃなイカ!!」と思いますが、実際は変わらんのです。速くなっている気になっているのです。逆に、この事情を知った人の中には「どうせ所要時間が変わらないなら、「熱海」・「三島」・「豊橋」などにも毎本停めればいいじゃないか!」と言いそうですね。まあ、こういう停車パターンを撮っているのに、「各駅の利用者数に比例させる」、「利用者の振り分けをする」、「「熱海」・「三島」・「豊橋」の停車を限定することで、列車の加速減速の数が減り、その分節電になる」、などの理由が考えられますが。

 この時間統一運転は、運転本数の多い朝、日中、夕方に適用されます。一方、運転本数の少ない早朝や夜はダイヤの制約から解放されるため、各列車が思う存分に速度を挙げることが出来ます。ですので現在のダイヤでは

「東京」~「静岡」間
上り:最短で58分(日中は64分に統一)
下り:最短で55分(日中は63分に統一)

「静岡」~「名古屋」間
上り:最短で46分、52分(日中は58分に統一)
下り:最短で44分、53分(日中は58分に統一)


となっています。要は、「東海道新幹線」のダイヤにゆとりが出来るか、「ひかり」を優先するダイヤになれば今の車両性能(特に「N700系」)では、この最短時間で行き来できるということです。当分は難しいですね。

※「静岡」~「名古屋」間の最短所要時間「44分、46分」は「静岡」~「名古屋」間ノンストップの場合、「52分」は「浜松」に停車した場合、「53分」は「浜松」と「豊橋」に停車した場合の所要時間です。
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