「東北地方太平洋沖地震」 その2 揺れについて

 先日、M7.1という、1つの大地震に匹敵する余震が発生しました。「新潟」の方も震度4くらいの揺れが1分~1分半近く続きました。あの日から1カ月近くたつのに被害者数は増え続け、未だに強い余震が続き、津波で浸水した場所の水が引かず、原発も毎日報道されています。

 数百年以上前の過去の災害は、「当時こんなことがあった」という物語でまだ語れますが、今回の地震は現在進行形で災害が続いています。まだ安易に地震のうんちくを語れる時期ではないかもしれません。ただ、直接被災しなかった立場からこの地震の実態を知る、広める思いで自分の知る範囲のことを記事にしていこうと思います。被災地以外に住む人が出来ることは、自分の日常生活を続けながら募金と節電を行い、地震について知り、被災地へ祈りを込めることだと思います。


 「東北地方太平洋沖地震」はあまりにも大規模な地震だけあって、その揺れと揺れた範囲もすさまじいものでした。
 震源(断層の破壊活動が“最初におこった”場所)は三陸の130km沖合で、深さ約24km(暫定値)、震源域(断層の破壊が行われた範囲)は岩手県沖から茨城県沖まで南北約450km、東西約200kmの広範囲に及び、断層のずれは最大23mにも及んだそうです。

震度
Shindomap_2011-03-11_Tohoku_earthquake.png
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5a/Shindomap_2011-03-11_Tohoku_earthquake.pngに加筆。)各地域の震度分布です。赤色の×は「震源」で、今回の地震(断層破壊、ずれ)が一番初めに起きた地点です。オレンジ色の範囲は「震源域」で、この地震全体の源となった断層破壊、ずれが及んだ場所です。この地震での「震源域」は、幅約200km、長さ約450kmにもおよびました。
 
 有感地震の範囲は、「北海道」の北端~「九州」の南端にまで及びました。体に感じない揺れも含めたら、地震の波は12時間かけて地球を5周もしたそうです。特に、「東北」~「関東」の「太平洋」側の震度が5~7と非常に大きく、揺れは2~3分、地域全体では合計で6分も間続きました(ちなみに、「兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)」の揺れは16秒です)。(参照→http://www.jma.go.jp/jma/press/1103/25a/201103251030.html)。揺れがこれだけ長く続いたのは、4つの地震想定地域(専門用語で「アスペリティ(固着域)」で3つのずれ(地震)が短い時間差で連続して起きたためです。

 震度5~7の範囲は南北方向に長く伸びていますが、これは「震源域」(断層が破壊された、ずれた範囲)に関係しています。テレビや新聞の図ではバツ印の震源だけが表示されるので地震の源は一点だけのようにも思えますが、実際は「震源域」全体(上図でいうオレンジ色の範囲)が地震の源といえます。ですので、各震度の分布も「震源」から同心円上に変化するのでなく、「震源域」の輪郭からオフセットをとるような分布を示すことが多いです。以上のことから、南北に長く揺れたのです。ほかにも、特に「関東」の地盤が弱く揺れのエネルギーが減衰しなかったこと、プレートの破壊の方向が南北方向におよんだことなどが挙げられます。

 また、この地震は、層面の傾きが10度と非常に浅く、「震源域」の面全体が地表に近い状態でした。つまりそれだけ広い範囲で地震の揺れが威力を保ったまま伝わり、これだけ震度の高い地域が出たともいえるでしょう。

 その割には、揺れによる被害は震度の割には比較的少なかったそうです(津波や原発が大きく報じられている影響もありますが)。これは、建物に大きな被害を与える周期が1~2秒の揺れ(「キラーパルス」)が少なく、より小刻みな0.5秒周期の揺れが卓越していたためらしいです。


ガル(Gal)
 地震の揺れの強さの表現数値に「ガル」というものがあります。簡単にいえば揺れの激しさを表し、値が大きいほど揺れが激しく、値が小さいほど揺れがゆったりしているということです。

 今回の地震では、「宮城県栗原市」で水平方向に2933ガルの揺れが2分間続いたそうです。東京大学地震研究所の解析によると、本震の揺れは東日本全体で約6分間続きました。参考として、「兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)」では最大で848ガルが、「新潟県中越地震」では最大約2515ガルが観測・分析されました。このことから、今回の地震が津波だけでなく揺れのほうでもすさまじかったと想像つきます。

 物理的にいえば、「ガル」は揺れの加速度(往復運動で起こる加速→減速・逆方向への加速→減速→…における“加速度”)です。1ガルは、1秒(s)に1センチメートル毎秒(cm/s)の加速度の大きさと定義され、981ガルで地球上での重力加速度に匹敵します(←ようするに、981ガルの垂直方向の揺れが起こると無重力状態(0G)と体重の倍増(2G)が交互に体感できる)。

981[ガル]=981[cm/s]=9.81[m/s]≒地球上での重力加速度、ということ。

 なお、「ガル」の値には揺れの幅(振幅)は関係しません。なので携帯のバイブのように小刻みな揺れでも、ブランコのゆったりとした大きな揺れと比べたら「ガル」の値は圧倒的に大きいです。簡単にいえば、地震の「震度」は「ガル」と「振幅(揺れ幅)」の積であらわされるようなものです。 「ガル」の値と「震度」は揺れの周期によってもことなるため一概には言えませんが、震度7では少なくとも500ガルに値します(周期が0.1秒だと2600ガル以上、10秒だと2000ガル以上で震度7)。 「ガル」の値と「震度」は揺れの周期によってもことなるため一概には言えませんが、震度7では少なくとも500ガルに値します(周期が0.1秒だと2600ガル以上、10秒だと2000ガル以上で震度7)。今回観測された2933ガルは、重力の3倍の力に匹敵します(体には左右に3Gの力がかかる)。今回卓越した0.5秒周期の揺れでは880ガルで震度7に到達します。
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