「東北地方太平洋沖地震」 その6 過去に起きた連動型超巨大地震

 今回の「東北地方太平洋沖地震」は4つ以上の想定震源域が同時に動いた超巨大連動型地震となり、1300年前に起きた「貞観地震」の再来ともいわれました。しかし、過去の「日本」では「東北地方太平洋沖地震」に匹敵する、それに準ずる規模の連動型超巨大地震が何回か起きていました。今回は、「関東」より西側の地域に目を向けてみます。

東海・東南海・南海地震
 「東海・東南海・南海地震」の想定震源域を、「東北地方太平洋沖地震」と「貞観地震」の震源域とともに載せてみました。「日本」で最も注目されている地震の一つが、「太平洋ベルト」沿いで100~150年周期で起こるこの3つの地震です。Mは8.0~8.5の巨大地震で、規模は「東北地方太平洋沖地震」の1/10~1/30です(とはいっても相当巨大な地震ではあります)。これらの地震が、この数十年間の研究で想定されていた規模の、「日本」で起こりえる最大級の巨大地震です。最後の地震が起きてから「東海地震」の震源域ではすでに157年がたち、相当なひずみが溜まっていると言われています。「東南海地震」は最後に起きてから66年、「南海地震」は64年しかたっていませんが、地震の規模が比較的小さかった(とはいっても被害は甚大です)ため、解放されなかったひずみが残っている=近いうちにまた巨大地震が起こるのでは?と言われています。
 というのが、ここ数十年で「日本」で最も一般に広まっている“これから起こりえる想定された巨大地震”です。

宝永地震
 しかし、上で挙げた3つの想定震源域が連動して動いた超巨大地震が過去に起きています。その1つが300年前の元禄時代に起きた「宝永地震」です。Mは8.4~8.7で、動いた震源域は500kmとも700kmともいわれています。「東北地方太平洋沖地震」が起こるまでは、公式で考えられる「日本」史上最大の地震でもありました。この地震の49日後に「富士山」が大爆発を起こしました(宝永の大噴火)。この噴火は、「宝永地震」に刺激されて起こったと言われています。ちなみに、この噴火で「富士山」の山腹に「宝永火口」(「東海道新幹線」の車窓から「富士山」をみると、山腹の右側に見えるすり鉢状の大穴ですよ)ができました。

安政東海・南海地震
 さらに、幕末の黒船が来航した翌年の安政元年(1854年)12月23日に、「東海」と「東南海」の2震源域を連動型巨大地震が、その32時間後に「南海」を震源域とした巨大地震が起こりました。この2つの地震は短時間で連続して起きたため、連動型の超巨大地震ともいえます。


東海・東南海・南海地震の歴史
 地震関連の本や雑誌「Newton」などによくでている、「東海・東南海・南海地域」で過去に起こった巨大地震の年表です。これをみると、100~150年周期で巨大地震が、中には想定震源域を複数巻き込んだ連動型の地震もよく起きていることがわかります。近代的な観測機器のなかった昔の地震のマグニチュードは、過去の断層のトレンチ調査、古文書に書かれた家の倒壊範囲などから推定した揺れの範囲、津波の高さと被害状況などから導き出します。これらの地震のマグニチュードは8.0~8.5が大半で「東北地方太平洋沖地震」より規模は小さいですが、震源の範囲は非常に広く、揺れによる被害や津波の巨大化を促進します(一般にマグニチュードは値が大きいほど正確に算出しづらいので、もし現在よく使われているモーメントマグニチュードなどで計算ができたら、ひょっとしたらこれらの地震もM9級になっているのでは?と勝手に推察)。


 また、最近の研究で「四国沖」を震源とする?M9級の超巨大地震が2000年前に起きていたのでは?と言われています。それについて以下の記事に書かれています。↓

M9級・超巨大地震!2000年前、巨大津波か
   高知大学の岡村真教授(地震地質学)らが、高知県土佐市の2000年前の地層から、  
  厚さ50センチに及ぶ津波堆積物を見つけた。  
   
   高さ10メートル超となった東日本大震災の津波でも、堆積物の厚さは5~7センチ程度。  
  専門家はマグニチュード9級の超巨大地震による津波である可能性をあげ、その再来もあり得ると  
  指摘している。  
   
   駿河湾―四国沖では、海のプレート(岩板)が陸のプレートの下に沈み込む境界(南海トラフ)で、  
  東日本大震災のような巨大地震が300~350年周期で起き、大きな津波も発生している。  
   
   今回、50センチの堆積物(砂の層)が見つかったのは、現在の海岸から約400メートル内陸にある  
  蟹ヶ池。岡村教授らが約30か所で池の底を調べた結果、東日本大震災以前では、最大級とされる  
  宝永地震(1707年)の津波堆積物も見つかった。厚さは15センチ程度だったが、この時、蟹ヶ池近くの  
  寺を襲った津波は高さ25メートルだったことが分かっている。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110425-OYT1T00737.htmより

 また、近年の津波堆積物の研究で、「東北地方」のほうでも「貞観地震」を含め内陸3~4kmまで巨大津波が押し寄せるような地震が2050年前と3000年前にも起きていたそうです。今までのハザードマップでは津波の想定新水域は内陸1km前後までと想定されていましたが、少なくとも1000年に1度は「東北地方太平洋沖地震」のような巨大地震と津波が起きていたのです。


最悪の連動型
 最後に起こりえる最悪規模の連動型超巨大地震の図を載せます。これは「駿河湾」から「南西諸島」にかけて一気に連動して動いた場合の、想定震源域です(雑誌「Newton」に掲載されていた図を参照)。震源域の全長は1000数百kmで、M9.1~9.3の「スマトラ島沖地震」(震源域の全長が1000~1600km)や史上最大のM9.5を記録した「チリ地震」(震源域の全長が800km以上?)に匹敵します。地球上で起こると考えられる最大の地震が「日本」で起きるとこれだけの範囲がずれるということです。


参照↓
「東北地方太平洋沖地震」 その1 マグニチュードについて
「東北地方太平洋沖地震」 その2 揺れについて
「東北地方太平洋沖地震」 その3 「前震」と「余震」と別の地震の誘発について
「東北地方太平洋沖地震」 その4 他の地震の誘発について
「東北地方太平洋沖地震」 その5 「貞観地震」との関連ついて
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管理人のみ閲覧できます - - 2012年06月16日 15:56:49

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