待避線が異様に長い新幹線駅 その1 カーブ上に駅がある場合

 新幹線の中間駅にある待避線は、そこに入線する車両の長さ分の延長をとっています。かといって、無駄に長すぎても設置面積が増えるため、入線する車両より極端に長くはなりません(通常の新幹線の待避線は、大体400数十~500mくらい)。それでも、待避線が極端に長くなっている駅もあります。その1例が「東海道新幹線」の「浜松駅」です。

浜松駅の待避線 - コピー
 上図は「浜松駅」の地図です。地図をよく見ると、プラットホームの長さは新幹線車両16両編成分の400mちょいあるのに対し、待避線は約1200mもあります。そして、その待避線の設置位置はカーブ区間と重なっています。

普通駅と浜松駅など
 普通の新幹線の中間駅と、待避線の異様に長い「浜松駅」などの配線図を比べるとこうなります。

「浜松駅」の待避線がこんなに長くなっているわけは、駅自体がカーブのど真ん中にあるからです。
 鉄道の線路の路盤は、カーブの部分では走行中の列車と乗客にかかる遠心力を抑えるためにカーブの内側に傾いています。そのため、カーブの外側の線路と内側の線路には落差ができます(この落差を「カント」という)。「東海道新幹線」や300km/h以上の運転を目標に作られた最近の新幹線路線のカーブでの傾きは約8°で、2本の線路の落差は20cmになります。「浜松駅」の通過線もまた、列車が高速で走行するため、線路が大きく傾いています。このような場所では分岐器を設けることができません。分岐器を設置してもそこを通過する列車のバランスが崩れる恐れがあるからです。さらに、待避線の方は列車が低速で走るため、線路はほとんど傾いていません。通過線と待避線に傾きの差が生まれているため、無理矢理分岐器をつくっても、その傾きの差で線路が大きくねじれてしまいます。つまり、カーブの区間で待避線の、本線への分岐・合流を避けるために、「浜松駅」の待避線がこれほど長くなったのです。

 「浜松駅」の待避線は、通過列車の待避だけでなく線路の傾きによるねじれの待避もしていたのですね。

 他にも、「山陽新幹線」の「徳山駅」も半径1600mの急カーブ上に駅があるため(そのおかげで160km/hに制限される)、待避線の長さが約1000mになっています。
 「岡山駅」も半径1000mの急カーブが近くにあるため、「博多」方面に待避線が延長され、全体の長さが約900mになっています。

 しかし、カーブに関係なく待避線が異様に長い駅があります。それは「東海道新幹線」の「掛川駅」です。「掛川駅」の異様に長い待避線はそれに加えて別の目的でも造られましたが、それはまた次回説明します。
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この記事へのコメント

- ヒバリ - 2013年12月17日 08:08:05

岡山駅は駅の前後両方に(新幹線にとっては)急カーブがあるからなあ。
富山駅も駅のそばに急カーブがあるから新幹線の待避線長くなりそうなきがする。

- 太郎 - 2013年12月22日 22:34:58

>ヒバリさん
 「岡山駅」は全列車停るから問題ないけど、高速で通過はできないよね。「富山駅」付近の急カーブは、駅間近まで届いていない(=直線区間に駅がある)から、待避線は長くならないよ。新幹線建設費が削減されているこのご時勢、余分に金のかかる(用地取得や、高架橋が無駄に多くなる)長い待避線が造られるのは、もうないかもしれない。

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