「北海道新幹線」があまり速くない可能性

 『「北海道新幹線」を「札幌」まで開業させて「東京」~「札幌」間を最高速度360km/h、3時間57分で結ぶ』
 、というフレーズが、ニュースや鉄道図鑑、専門書によく書かれています。しかし、現実にはそこまで速度を上げられない可能性が以下の記事に書かれていました。この記事は、「北海道新幹線」の問題点を様々な角度から見ていますが、本記事では速度に関するところを赤文字で強調しておきました。

毎日新聞 8月26日(日)10時34分配信

 北海道新幹線の新函館-札幌(211・5キロ)の起工式が25日、長万部町で行われた。道や経済界にとって長年の悲願だった札幌延伸は実現に向けて踏み出したが、工期は24年にも及び、道には巨額の事業費負担も重くのしかかる。JR北海道から経営分離される並行在来線(函館-小樽、252・5キロ)のあり方も鉄路存続を望む沿線自治体には懸念材料だ。【岸川弘明、吉井理記】(社会面参照)

 ■工期短縮と財政負担
 国が示す札幌延伸の総事業費は1兆6700億円。このうち、国の交付税措置を除いた道内自治体の実質負担は2900億円と試算されている。新駅が設置される市町にも一部負担を求めるが、大半は道が負担する。道は400億円を一般財源、残りの2500億円を道債発行で賄う予定だ。
 これまで札幌延伸の推進派は延伸に伴う経済波及効果で、建設費は回収できると主張。北海道経済連合会(道経連)が着工認可前の06年にまとめた試算でも、北海道新幹線(新青森-新函館含む)の建設で道内の経済波及効果は約2兆5000億円に上り、約18万3000人の雇用を生むと予測していた。
 ただ、試算で想定していた工期は15年間。24年間では「将来は人口も減るだろうし、経済効果は薄れるのではないか」(道経連幹部)と懸念の声もあり、経済団体は国に工期短縮を求める意向だ。
 一方、事業費を負担する道はジレンマを抱える。工期を短縮すれば単年度ごとの負担額は増えるため、財政難の道財政をさらに圧迫しかねない。高橋はるみ知事も「工期は短い方が経済効果が出ることはよく分かっているが、道費負担増は道民の理解を絶対得られない」(7月20日の記者会見)と述べるなど、道は対応に苦慮。7月に国に出した来年度予算要望でも、道は札幌延伸の「工期短縮」ではなく、「整備促進」との表現にとどめた。

 ■青函トンネルで減速
 工期に加え、経済効果を生む上でネックになるのが速度の問題だ。道経連の試算は最高時速360キロ、札幌-東京の所要時間を3時間57分と想定していた。だが、開業時の最高時速は260キロとされ、東京まで4時間43分かかる。しかも、青函トンネル(54キロ)を含む在来線との共用走行区間(82キロ)では貨物列車とすれ違う際の安全確保のため時速140キロに減速せざるを得ず、所要時間は5時間1分になる。道幹部は「140キロといえば特急並みの速度。18分間の差かもしれないが、新幹線の魅力が落ちてしまう」と案じる。
 改善策を検討するため、国土交通省は7月、有識者らの「青函共用走行区間技術検討ワーキンググループ」を設置した。新幹線と在来線の運行時間帯を区分▽すれ違い時に新幹線が自動減速▽トレイン・オン・トレインなど貨物専用新幹線の導入▽第2の青函トンネルの建設▽上下線間に障壁設置--の案を提示。年度内に結論を出す考えだが、一筋縄ではいきそうにない。
 第2の青函トンネルは4000億~5000億円、上下線の障壁は約1600億円の建設費がかかる見込み。自動減速や貨物専用新幹線も技術開発に多額の費用が必要となる。費用面から運行時間帯の区分が最も現実的と言えるが、青函トンネルを日に最大51本走らせるJR貨物は「運行本数が減れば営業に影響する」とダイヤ調整に難色を示している。


 ■三セクかバス転換か
 JR北海道から経営分離される並行在来線の函館-小樽は鉄路存続かバス転換か、今後始まる沿線15市町間の議論が注目される。分離区間のうち物流を担う室蘭線に接続する函館-長万部と地元住民の利用が主な長万部-小樽とでは路線の性格が異なる上、新幹線駅が設置される自治体と他の“通過自治体”の間でも温度差がある。
 函館-長万部はJR貨物から線路使用料収入が見込まれ、鉄路存続でも採算が取れる可能性がある。一方、長万部-小樽の輸送密度(1キロあたりの1日平均乗客数)は500~2000人程度で、採算ライン(8000人)を大きく下回る。第三セクターによる鉄路維持では採算割れし、沿線自治体は赤字の穴埋めに財政負担を覚悟しなければならない。
 新幹線駅が置かれる小樽市と倶知安、長万部、八雲3町は「本州客を誘引する」(倶知安町)と延伸効果に比重を置く。新幹線駅周辺も「在来線にスキー客向けの臨時列車もあるが、新幹線開通後は(新駅を起点に)バスでも代替可能ではないか」(ニセコリゾート観光協会)と鉄路維持に執着は強くない。
 一方、新幹線が停車しない余市町は「(在来線は)通勤通学利用者も多い生活路線。鉄路存続が(経営分離に同意した)前提だ」と危機感をにじませる。同町の住民団体「JR函館線の存続を求める住民の会」も鉄路存続の署名活動を続ける。
 道は9月上旬に代替交通を検討する沿線15市町との協議会を設置する方針。市町間の足並みがそろうかが焦点となるが、道幹部は「三セク化が決まった江差線より沿線自治体が多く、地域事情も異なる」と難航を予想する。

8月26日朝刊
.http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120826-00000008-mailo-hok

 整備新幹線の最高速度260km/hの法則が「北海道新幹線」でも発動されるかもしれないということです。
 そして、「青函トンネル」は新幹線と在来線の共同利用で造られているので、実はすれ違いの時の風圧が問題視されています。普通の新幹線は新幹線車両しか走らないためすれ違い時の風圧対策も万全です。しかし、「青函トンネル」の区間は在来線の車両や貨物列車など、新幹線と異なる仕組み構造の車両も走り、新幹線もそれに配慮して減速しなければいけなくなりそうです。本やニュースでは最高速度の理想が結構強調されますが、実はこういう問題も出ているのでした。

 ちなみに、「瀬戸大橋」に新幹線を走らせた場合(走らせる構想はある)、こちらも騒音が問題で橋の上では最高速度が160km/hに押さえられるらしいです。
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