「玄武洞」

 しばらく「兵庫県」のど真ん中に滞在していたので、せっかくということで「玄武洞」を見てきました。一言でいえば、地質学的にも一般人の感性的にもすごい場所です。

案内板にも書いてありますが、「玄武洞」に関する用語をちょいと説明します。

「玄武洞」
 「玄武岩」で構成された洞窟で、「玄武岩」命名の地。「玄武洞」のほかに4つの洞があり、昭和6年(1931年)に天然記念物に指定されている。当然、おもちかえりぃはご法度である。ちなみに、「玄武洞」は天然の洞窟ではなく、江戸時代に人々がそこの「玄武岩」を採掘したために出来た人工洞窟・坑道跡地である。

「玄武岩」
 簡単にいえば、液体(溶岩)だったころは、かなり熱くて(1000~1200℃)サラサラし、なおかつ急激に冷やされた黒っぽい石。数千万年~数億年前の「玄武岩」は「日本」のいたるところに点在しているが、古い石は汚れていてわかりにくく、見る気がなければ見ようとしない。新鮮でわかりやすい「玄武岩」は、「富士山」、「高千穂」、「三原山」等で見られる。

「玄武洞・玄武岩の由来」
 「玄武洞」の「柱状節理」の断面が、古代「中国」の四神の「玄武」の甲羅っぽいことから「玄武洞」と名付けられ、そこ石がそのまま「日本語」の学術名で「玄武岩」と命名された(英語ではbasaltで、和名と何のつながりもない)。

「節理」
 言い換えれば“裂け目の見えない割れ目”である。溶岩が冷え固まり収縮する際にできる。「節理」があからさまにずれたものが「断層」ともいえる。「玄武洞」では、以下の2種の「節理」が見られる。

「柱状節理」
 溶岩が冷え固まるときに、自身が収縮して割れ目をつくる。これが「柱状節理」である。溶岩の表面から中心に向かって柱状に出来ていく←先に冷えたところから節理ができるということ。「柱状節理」の姿勢によって当時の溶岩の格好、流れを推定できる。

「板状節理」
 「柱状節理」が出来た後に、それと直角の方向に出来る板状の節理。流体のなんやかんや的な特性で、等間隔に形成される。

「玄武洞」の地質学的な意義
①当時の溶岩の形成史が明確に推定できた。
②地磁気の逆転現象が世界で初めて明らかにされた

②について
 急激に冷えた溶岩は当時の地磁気を保存し、磁気を帯びている(←溶岩が冷え固まっている「青木が原樹海」では磁石が効かない伝説の一応の根拠)。「玄武洞」の「玄武岩」に含まれる磁気は地質学者の「松山基範」によって研究され、昭和2年(1926年)に、「玄武洞」の「玄武岩」が出来た160万年前は、地磁気が今と逆であったと発表された(「玄武洞」だけでなく、「アジア」各国の岩石の地磁気の特性からこの説を提唱した)。当時はウェゲナーの「大陸移動説」並みに常識外れ扱いされていたが、この地磁気の逆転現象が、後に「大陸移動説」を裏付ける根拠のひとつにもなり、今ではこの大発見は世界で高く評価され、この逆転現象がおきた249万~72万年前は「松山逆磁極期」と命名された。

美しさの観察
 節理の流れ、断面の形はさまざまであるが、“美しい見栄えの節理”ほど、外界の影響をあまり受けずじっくり丁寧に作られたとみるもの。
 また、急激に冷えて出来た「柱状節理」は細く細かく、ゆっくり冷えて出来たものは粗く太い。要するに、火成岩の粒子が細かく深成岩の粒子が粗いのと同じ。

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 現地の解説については、撮影した看板を読んでください。

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 「玄武岩」は急激に冷え固まるため、内部のガスも勢い良く抜けてこのように穴だらけです。

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 遊歩道の敷石や石柱にも「玄武岩」が使用されているっぽいです。

「玄武洞」
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こちらが「玄武洞」で、この敷地内では最も大きな洞です。採掘によって洞になったおかげで、「柱状節理」の姿勢がよりわかりやすい露頭になりました。

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 「玄武洞」の「柱状節理」は下部で鉛直、上部で横向きになり、さらに上部では上に向けて集約しています。上部が溶岩の塊の中心部だったのでしょうか?「玄武岩」形成時に溶岩が対流していたとかなんとかでこうなったらしいです。


 水平方向に「板状節理」が見えています。これは人工建造物ではありません。「板状節理」の間隔は柱状節理の6角形の1辺の長さにほぼ等しく等間隔に平行です。流体が熱対流する際の物理的なんやかんや(ベーナル渦とからしい)でこうなるそうです。

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 「柱状節理」の断面です。美しい多角形をしています。「柱状節理」の断面は、外部の影響が少ないほど6角形に近づきます。雪の結晶と同じく、自然界では6角形がバランスのいい=静かに出来やすい形状なんですね。

「青龍洞」

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 「柱状節理」が最も美しいのがこの「青龍洞」です。上下方向に最大で高さ33m、横方向15mにもなります。

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 「玄武洞」よりも植生が少ないため、「柱状節理」や「板状節理」がより明確に見えます。

「白虎洞」

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 「白虎洞」の「柱状節理」は上で真横を向いています。他の洞では上に集まる感じなのになぜでしょうか?

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 洞の近くの露頭でも、節理を観察できます。

「南・北朱雀洞」
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