「明延鉱山」 その1 当時のままの坑道

 「兵庫県」に滞在している間に、「明延鉱山」へ行ってきました。

歴史
 「明延鉱山」は、古くから創業していた非鉄金属の鉱山で、開山は平安時代とされていますが、それより前の奈良時代に「奈良の大仏」の鋳造に使った銅を算出していたとも言われています。長らく銅の生産が主流でしたが、明治になり掘削技術が進歩してから新たに錫や亜鉛、タングステンなどの鉱脈が発見され、そちらに主流が移りました。鉱脈が非常に豊富で昭和になっても粗鉱の月生産量が35000tに達する快挙を見せていましたが、昭和62年(1987年)3月に未採掘の鉱脈を残しつつやむを得ず閉山に至りました(閉山については後日説明します)。閉山後は鉱山の偉業を伝えるために当時の技術者や「養父市」により保存・整備され、見学が可能になっています。

概要
 「明延鉱山」は坑道が非常に大規模な鉱山の一つで、坑道の分布域は平面距離で5km、垂直距離で1km(海抜-138m~7、800mほど)、坑道の総延長は550kmにも及びます。現在ではガイド(かつて鉱山で働いていた従業員や「養父市」の職員)による案内で見学することができます。 
 「明延鉱山」で特筆すべきは、見学用の坑道が稼働時のまま保管されているということです。全国にある観光用の鉱山跡地は地面の舗装や整備など、後から人工的な操作を受けています。天守閣に例えれば、「明延鉱山」が古来より現存する天守閣、ほかの観光用鉱山が鉄筋コンクリートで再建された天守閣です。

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 概要はこんな感じです。

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 体験坑道の入口です。ほかの鉱山見学と違って、ヘルメットを被らなければいけません。

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 観光ルートです。観光できる坑道はおよそ600mと長めですが、これでも鉱山全体の坑道の900分の1に過ぎません。スケールがでかいです。

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 当時のままの坑道です。見学用に補強はされているかもしれませんが、現役時代と変わらぬ佇まいです。地面の線路は当時のまま撤去されずに残っています。

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 分岐器、階段、鉄配管など、色々残っています。

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 所々、木の柱もあります。

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 階段もそのまんまです。地下水による錆止めのためか?金属物は全部赤くなっています。

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 木の柱は、逆さ柱(生えていた姿勢と上下逆に立てている)です。丸太が下が細く、上が太くなっています。逆さ柱にしているのは、柱を長持ちさせるためです。木は根っこから上に水を吸い上げますが、この機能が伐採してからもある程度活きている(死んだ蜂でも針が刺さるのと同じ?)ため、地下水の多い坑道にそのままの姿勢で柱を立てると地面の地下水を吸収して腐りやすくなります。逆さ柱にすると地下水吸収が軽減されて、40~50年持ちます(そのままの姿勢だと20~30年)。
 昔からずっと逆さ柱は縁起が悪い、生えていた姿勢通りに柱を立てたほうが耐久性があると言われていた中、敢えて逆さ柱にすることを考えついた人には感服します。

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 線路が直角に交差しています。今の「日本」では珍しい、真のダイヤモンドクロスです。

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 坑道がまっすぐずっと続いています。右端にある鉄パイプはコンプレッサーで起こした圧縮空気を作業場の、空気の圧力で動く機会に送るためのものです。

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 あちらこちらで線路が分岐し、トロッコが顔を覗かせています。

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 坑道も左右上下構わずどこまでも枝分かれしています。

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 天井に緑銅がありました(写真真ん中のエメラルド色の粒)。緑銅は、昔の協会の屋根とかによく見られる、銅が参加してできたものです。

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 石英脈が網目のように走っています。これは、岩盤の割れ目に石英が熱水とかとともに染み込んででき、この中に鉱物が含まれています=鉱脈。

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 鉱脈が一定の方向に走っていますこれにそってしっかり坑道が掘られています。

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 地山は一定の方向に劈開が発達し、それに沿って剥落しやすくなっています。そのため、「ルーフボルト」と呼ばれる杭を打ち込んで崩壊を食い止めています。

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 「江戸時代」の採掘跡です。この孔は鉱脈に沿って地表から掘られています。現在も地表につながっています。

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 探検坑道最大の見せ場であるシュリンケージです。これは、50年ほど前に掘られた鉱脈採掘跡で、高さは20mもあります。こういったシュリンケージは落盤事故の起こりやすい危険な場所のため、通常の観光用坑道ではここのように下から見上げることはできません。「明延鉱山」では、崩落の危険が少なく、専門のガイドがついているということで、特別に下から見上げることのできる、数少ない場所です。

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 坑道の出入り口付近は、重機を通すために広くなっています。
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