東海道新幹線のダイヤの理想と現実について

 以前の記事でも書きましたが、東海道新幹線では1時間に15本(平均4分間隔)の頻度の運行までが可能です。それを実現するためにJR東海は品川駅を建設しました(詳しくは  を参照)。しかし、品川駅が開業して6年近くたつ現在も1時間に15本の運転を行っていません(現在最高で14本/時)。また、品川始発の列車は早朝の1本のみで、定期的に折り返していません(理論上は1時間当たり2~3本が品川始発になる予定だった)。これには、以下の理由が考えられています(参考文献:「超・新幹線が日本を変える」)。

① 各列車の性能の違い
 現在、東海道新幹線には300系、500系、700系、N700系の4種類の車両が走っています。最高速度はそれぞれ異なりますが、東海道新幹線内では全ての列車が最高速度270km/hに統一されています。これは、東海道新幹線の線形の制約(カーブの半径とか)と過密ダイヤを効率化するためであります。

 一方で、加速性能とカーブの通過速度が車両により異なります。この性能の差により、各車両の「東京」~「新大阪」の間の所要時間は最短で300系、500系、700系が2時間30分、N700系が2時間25分になっています。たった5分の違いですが、この5分が大きいのです。1時間に15本の列車を運転すると平均運転間隔が4分、頑張って間隔を空けてもたまに6~7分になるのが限度でしょう(これには理由があるけど、それを上手くまとめて語るのが面倒なので省きます)。そして、各列車は3分間隔での運転が限度なので、所要時間に5分の差が出来る状態だと、N700系が先行の他の列車(300系、500系、700系)に追いついて速度制限を受けてしまい、速く走れる列車が思う存分に走れなくなります。現に今そうなっています。
 
 1時間に15本の運転を実現するには、更に車両性能を統一する必要があるのです(統一をしないと、各性能をフルに発揮できないので、もったいない)。

② 品川駅の運用法の変更
 品川駅は、元々運転本数を増やすために造られた駅です。現状より運転本数を増やすには、品川で折り返し運転をする列車を設定する必要がありますが、品川駅は上下線各2本の線路で構成されています(ようするに名古屋、京都、上野駅などのような2面4線)。折り返し運転をするとそのうち1本の線路がふさがり、ふさがっている間は東京からやってくる列車を1本の線路でさばく必要があります。1本の線路でさばくと、ホームに先行列車が停まっている間に後続の列車が追いついてしまって(運転間隔が既に密だから)、先行列車にぶつからないように駅の手前で待ちぼうけを食らうため効率が悪くなります。このため、2本の線路に交互に列車を入れてさばく必要があり、品川で折り返す列車の設定が難しくなります。

品川駅
 こちらが品川駅構内の配線図です。このように、上下線ともに2本の線路が使用されます。ダイヤが過密な時は上下線とも2本の線路を交互に駆使して、短い間隔で走る列車をさばきます。この配線は、新横浜、名古屋、京都ととも同じものです。

 
 東京始発の列車を今より減らして、減らしたその分を品川始発に回す(要するに双方のバランスを良くする)、もしくは東京始発の列車は全て品川通過にすれば、1時間に15本へ本数を増やすことは出来るでしょう(それでも①で述べた問題を解決する必要がある)。しかし、実際はほとんどが東京始発で、全ての列車は品川に停まります。品川駅は、運転本数を増やすことによりもむしろ、乗客の流れの分散化や品川周辺のJR管轄の商業施設を増設する手助けに運用されているらしいです。

 開業当初は1時間に2本(30分間隔)の運転頻度であった東海道新幹線でした。ここまで需要が増えて過密ダイヤになると、当時誰が創造できたのでしょう?国柄の違いが大いにありますが、ヨーロッパの高速鉄道は1時間に多くても2~3本の運転です。日本の新幹線は世界の高速鉄道の中で、間違いなく世界一の過密ダイヤを実現しています。
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