凄い駅 その5 美佐島駅

 日本には山岳トンネルの中に位置する地下駅が少なくとも4つあります。JR北陸本線の「筒石駅」、JR上越線の下り線の「湯檜曽駅」と「土合駅」、そして北越北線(以下、「ほくほく線」と表現する)の「美佐島駅」です。どれも山岳トンネルの途中という珍しい場所にある面白い駅ですが、その中で最もすさまじい駅は、ほくほく線の「美佐島駅」です。


 ニコニコ動画に美佐島駅を通過する特急「はくたか」を撮影した動画が投稿されていたので紹介します。この投稿者は、他にも列車が通過する迫力のある動画を多数作っています(気になる人はこちらをクリックしてください→http://www.nicovideo.jp/mylist/2608755)。

赤倉トンネル
 上の図は、赤倉トンネルの様子を示したものです。赤倉トンネルは全長が10.5kmと、私鉄で一番長いトンネルで、ほとんどが単線です。トンネルの途中に「赤倉信号所」があり、上下の列車がすれ違うために複線になっています。また、「赤倉信号所」より十日町側に、今回紹介している「美佐島駅」があります。

 上で紹介している動画は、特急「はくたか」が赤倉トンネルの六日町側からトンネルに突入し、「赤倉信号所」と「美佐島駅」を通過して十日町側の出口へ抜けるまでの様子を撮影したものです。「はくたか」が画面上を通過するのは一瞬ですが、風の音から「はくたか」がどこを走っているのかがわかります。それについて解説します。まあ、動画にあるコメント自体が鉄道マニアの突っ込みであるため、それと重複していますがね。

0:13あたり 「はくたか」、六日町側の入口より赤倉トンネルに突入
 長い筒状のトンネルに列車が突入すると、トンネル内の空気がピストンに押される原理で列車により押されます。押されることによりトンネル内に風が生じます。この風は列車の速度が速いほど、トンネルの断面積が狭いほど強くなります。赤倉トンネルは単線でトンネルの断面積が小さく、しかも「はくたか」は最高160km/hで通過します。断面積が狭いことが作用し、トンネル内に発生する風(特に乱流)は新幹線より強力であるといわれています。トンネルに突入する瞬間の空気抵抗があまりに大きいことから、突入時の速度を130km/hに抑えて突入後に160km/hまで徐々に加速させているそうです。

 今までの説明を一言でいえば、「はくたか」がトンネルに突入すればトンネル内に風が吹くということです。動画にも風が吹き付けている様子が完璧に聞き取れます。

2:00~2:12あたり 「はくたか」、「赤倉信号所」を通過
 赤倉トンネル内は基本的に単線ですが、途中で列車同士の擦れ違いを実現するために「赤倉信号所」が設けられ、そこだけ複線になっています。つまり、トンネルの断面積がそこだけ相対的に大きくなります。「はくたか」というピストンに押されていた空気ですが、信号所ではトンネルの断面積が広くなる分、「はくたか」に押され、流される影響度が下がります。その分風が弱まります。動画でも「はくたか」が信号所に突入しているときは風が弱くなっているのがわかります。信号所を過ぎて再び単線区間、すなわちトンネルの断面積が小さい区間に入った後は再び風が強まります。

3:23~3:28 「はくたか」、「美佐島駅」を通過
 説明するまでもなく、通過しています。よく見ると、「はくたか」通過後に霧が発生しています。

4:55あたり 「はくたか」、十日町側の出口より赤倉トンネルを脱出
 「はくたか」がトンネルを抜けて“ピストン”の動きの影響が無くなったため、風が弱まりました。赤倉トンネルの全長は10.5km、音の観測より「はくたか」が赤倉トンネルを通過するのに4分42秒かかったと推定されます。これより計算すると、「はくたか」の赤倉トンネル内における平均速度は、約134km/hであります。

 以上の現象が、「美佐島駅」では日常茶飯事に発生しています。プラットホームは普通列車が美佐島駅に停車するとき以外は立ち入り禁止になっています(しかし、ほかに検索をしてみたら、ホームに出て撮影した無謀な輩はいました(上の動画とは別の人です)。これも動画として投稿されていましたが、絶対にまねをしてはいけません)。

 この記事で初めて言及しますが、青函トンネルの中には「竜飛海底駅」と「吉岡海底駅」の、2駅があります。これもトンネルの途中にある地下駅ですが、青函トンネルには将来、北海道新幹線の新幹線車両も通過します。北海道新幹線は、360km/h運転を目標とし、青函トンネル内もこの速度で走り抜ける予定です。もし新幹線開通後も2つの海底駅に立ち寄れたら、迫力のある新幹線の通過が見られるかもしれません(ただし、新幹線開通後は、海底駅には一般人の立ち入りが禁止になる可能性も考えられる)。
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この記事へのコメント

- ヒバリ - 2009年05月17日 22:27:00

電車内でも
信号所とその他の場所では音が違ったもんなぁ。

速度が速いからトンネル入ってる時のデッキなんかものすごい音でしたもんね。

それを考えるとトンネル入ってもほとんど騒音のしない新幹線のデッキってうまく作られてるなぁ。

- 太郎 - 2009年05月19日 22:44:56

>ヒバリさん
 信号所を通過する時が静かに感じてしまったのがすごいよねえ。確かに考えてみると、新幹線の防音措置はすごい!「はくたか」はここまで想定しなかったのか(実際に160km/h運転をしたら乱流が予想以上だったらしい)?、短い区間だから目をつぶったのか?

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