ネコ耳新幹線について

 少し前に聞いたことのある単語だと思います。これは東北新幹線の試験車両、FASTECH360の別名でもあります。当時の報道でも紹介されていたように、FASTECH360は北海道新幹線が開通した際、360km/hの営業運転を行うために開発された、その走行試験を行うための車両です。

 そのため360km/h以上の速度で試験走行をしますが、重要なのは緊急時にいかに早く停まれるかです。今や新幹線は300km/h運転の時代ですが、非常ブレーキをかけてから4000m程で停まれることを基準に運転とブレーキの設計をしています。これは、「のぞみ」が270km/h運転を始めてからの基準らしく、言い換えれば初代「のぞみ号」が270km/hから停まるまでの制動距離と同じ距離で、以降の新型車両も停まれるようにしているのです。300km/h運転を行う500系やN700系は、非常時に微細な粉末を線路に射出して車輪との摩擦をあげ、4000m程での停車を果たしています。360km/h運転では、それらに加えて空気抵抗を利用した「空力ブレーキ」が有効になります。FASTECH360では、非常時に屋根に空気抵抗板を飛び出させて空気抵抗を増やし、より早く停まれるようにしました。


 20050624_0.jpg
こちらが、空気抵抗板(空力ブレーキ)を飛び出させているFASTECH360です(http://www.sandeinc.com/~eguchi/diary/20050624.html)。非常時のみ屋根の上に飛び出させるため、通常の運転(減速時も)では収納しています。当時は萌え要素の一つであるネコ耳が広まりだしたご時世で、空気抵抗板の飛び出している姿がネコ耳を連想することから、日本国内とイギリスのマスコミに「ネコ耳」新幹線として広められたのです。にゃあにゃあなのです(←ここで「梨花ちゃま」を連想した奴はおるか?)

 速度が高いほど空気抵抗は増え、「空力ブレーキ」の効果が上がります。「空力ブレーキ」の追加により、制動距離は従来のブレーキだけの場合よりも500m以上縮まりました。しかし、ここ2~3年で開発する新型車両は最高速度が320km/hとされています。360km/h運転の実現には、まだまだ解決すべき課題が多いのです。「空力ブレーキ」が効果を発揮するのは340km/h以上のため、320km/h運転をする新型車両には空力ブレーキが搭載されません。実用化はまだまだ先の話です。

 しかし空気抵抗を利用したブレーキ、実は東海道新幹線が開通する前(今空50年ほど前)から考案されていました。次回に紹介します。
スポンサーサイト

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

太郎の部屋

Author:太郎の部屋
太郎の部屋にようこそ!

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
部屋に来た人
地域別訪問者数

ジオターゲティング
月別アーカイブ
カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
バロメーター
ブログ内検索
リンク
RSSフィード
ブロとも申請フォーム