ケーブルカーの線路の勾配は上側ほどきつくなる

 ケーブルカーに乗る際、特に先頭か最後尾の景色を眺める人は気づくでしょう。たいていのケーブルカーの線路のこう配は、上ほど相対的に急で麓ほど相対的に緩やかです。つまり、麓から上に行く時はどんどん傾斜がきつくなります(逆もまたしかり)。何故こんなことになっているのでしょう?それには力学的要因があったのです。

ケーブルカー0
 冒頭でも紹介したとおり、ケーブルカーの線路のこう配は大体こんな感じです。

ケーブルカー1
 この勾配を変化させる原因は、上の駅に設置してある巻き上げ機にあります。ケーブルカーは、車両をケーブルでつなぎ、最上部(上の駅)の巻き上げ機で井戸のつるべみたいに上げ下げする乗り物です。つまり、巻き上げ機には大きな力がかかります。

 その力は、主に2つあります。1つはケーブルカーの車両が坂を下る力(mg sinθ)、もう1つはケーブル自身の重さ(質量)による力です。この2つの力が巻き上げ機に直接かかる力、言い換えれば巻き上げ機付近のケーブルを引っ張る力となるのです。


ケーブルカー3
 まず、ケーブルカーの車両が斜面を下る力(mg sinθ)について考えます。
 地球には重力が働き、その影響で斜面上の物体は下へ下がろうとします。高校物理でいうmg sinθ(θ=傾斜角)です。この力は、斜面が緩やかなほど小さく、急なほど大きくなります。

ケーブルカー2
 次に、ケーブル自身の重さ(質量)が巻き上げ機にかかる力(もしくは巻き上げ機付近のケーブルが引っ張られる力(張力))について考えます。
 車両が麓にいるときは、ケーブルが麓まで長~く延びて垂れ下がります。垂れ下がる距離が長い分、垂れ下がっている分のケーブル自身の重さが、一番上の巻き上げ機(巻き上げ機付近のケーブル)に大きくかかります。車両が上の方にいるときは、ケーブルはほとんど垂れ下がりません。垂れ下がる距離が短い文、垂れ下がっている分のケーブルの自身の重さが、一番上の巻き上げ機(巻き上げ機付近のケーブル)にあまりかかりません。つまり、車両が上へ行くほどこの力が小さくなるのです(逆もある)。


 この2つの力をまとめると

車両が坂を下る力
傾斜が緩やかだと小さい ⇔ 傾斜が急だと大きい

ケーブル自身の重さ(質量)による力
車両が麓にいると大きい ⇔ 車両が上にいると小さい



 耐久性などの色々なことを考えると、巻き上げ機やケーブルにかかる力の変化は、なるべく小さくしたいものです。そこで、麓の傾斜を緩やかに、上の傾斜を急にすることで、2つの力がお互い逆向きに変化するようにし、2つの力の合計値(合力)の変化が少なくなるようにしたのです。

 また、この力の変化を少なくすることで、たとえば2つの車両を同時に上り下りさせる路線(真ん中ですれ違う)の場合、引っ張り合う力のバランスが良くなり、効率も上がります。
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