聖地巡礼の研究

 今年の正月三が日の鷲宮神社の参拝者数は約45万人と、前年よりも3万人増えたそうです。うーん、ブームの観点で考えると去年より減ると思っていましたが、逆に増えました。結構続いているんですなあ。

 らき☆すたの聖地巡礼とその舞台である鷲宮町の商工会による町おこしに関する論文がありました。題名は、

アニメ聖地の成立とその展開に関する研究 : アニメ作品「らき☆すた」による埼玉県鷲宮町の旅客誘致に関する一考察
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/35084/3/p145-164yamamura.pdf

です。この論文には、聖地巡礼とそれを利用した町おこしの仕組みについてつづられています。一過性のブームに終わらせず、長い目でそれを持続させていく地元の取り組みがとても興味深いです。その一部(主に各章の冒頭)をここに載せておきます。詳しくは、上述のURLより閲覧してください。

1.1 本稿のねらい
 本稿の目的は、アニメーション(以下便宜上「アニメ」と表記を統一)作品「らき☆すた」(「らきすた」と読む)の舞台となったことをきっかけに、いわゆる「聖地」として全国からファンが押し寄せるようになった埼玉県北葛飾郡鷲宮町(以下、鷲宮町)を対象に、如何にして「聖地」が成立し、2度のファン向けイベントの成功に至ったのか、その経緯を整理し、そのうえで以下の三点について考察を加えることにある。
(1)聖地化のプロセス1:アニメ作品がどのような経緯で旅行行動を誘発したのか。アニメ作品で描かれた場所がどのような経緯で観光地化(アニメファンにとっての聖地化)していったのか。

(2)地域社会の旅行者受け入れプロセス:地域社会(神社・商工会・商店・行政・一般住民等)は「らき☆すた」並びにそれを目的とした旅行者を、どのような体制で、如何に受け入れていったのか。

(3)地域外関連企業の役割:地域外部の関連する企業(旅行会社並びに著作権が帰属する企業)は地域社会とどのように連携し、またどのような役割を担ったのか。なお、本稿では便宜上、アニメ作品のロケ地またはその作品・作者に関連する土地で、且つファンによってその価値が認められている場所のことを「アニメ聖地」と定義しておく2。




2|鷲宮町に見る「らき☆すた」聖地の成立とその展開経緯
 表1は、鷲宮町に「らき☆すた」を目的として旅行者が訪れるようになった経緯、そして2回のファン向け「らき☆すた」イベントが同町で開催されるに至った経緯を、時系列で整理したものである。本表に示すように、特に、ファン(旅行者)と地域社会、そして地域外関連企業という三者の果たした役割とその関係性に着目すると、今日に至るまでの経緯は、便宜上大きく以下の5つの段階に分けて考えることができる。

(1)受け入れ土壌整備期:~2007年4月
(2)ファン主導期:2007年4月~2007年9月
(3)角川書店主導期:2007年9月~2007年12月
(4)商工会主導・商店参加期:2007年12月~2008年3月
(5)地域主導期:2008年3月~

 以下、それぞれの時期区分についてその特徴を詳述する。




3|考察
 第二章で見た経緯の整理結果を踏まえ、「本稿のねらい」で述べた通り、大きく以下の3点から考察を加え、更なる研究の展開に資するべく、今後議論が必要ないくつかの論点の提示を試みる。

3.1 聖地化のプロセス
3.2 地域社会の旅行者受け入れプロセス
3.3 地域外関連企業の役割
以下、それぞれの点について考察を加える。


3.1 聖地化のプロセス
 ここでは鷲宮町の事例を通して、アニメ作品「らき☆すた」がどのような経緯で旅行行動を誘発したのか、作品中で描かれた場所がどのような経緯でファンにとっての聖地と化していったのか、キーワードを挙げながら考察を加えてみたい。

3.2 地域社会の旅行者受け入れプロセス
 ここでは、地域社会が「らき☆すた」並びにそれを目的とした旅行者をどのような体制で如何に受け入れていったのか見ていく。

3.3 地域外関連企業の役割
 ここでは、地域外部の関連する企業(著作権所有企業並びに旅行エージェント)は地域社会とどのように連携し、またどのような役割を担ったのかを見ていく。


4|おわりに
 なお、本事例はわずか1年という短期間に急成長し、成功を収めた事業であり、その展開はあまりにも急である。一般に多くのアニメ作品には賞味期限があり、息の長い人気を博する作品は非常に稀である。「らき☆すた」自体が息の長い作品になるかどうかは未知数であり、商工会のアニメに頼らない地域振興へむけた取り組みの動向を含め、今後の推移を見守る必要があろう。本稿はあくまでも「研究ノート」の位置付けであり、調査結果を取りまとめて報告することに主眼を置いたため、分析・考察は十分とは到底言い難い。本文中で提示したいくつかの課題・論点について今後詳細な検討を加えていく予定である。
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この記事へのコメント

- ヒバリ - 2010年01月18日 01:29:03

こんなこと調べてどうするんだっていう事柄を調べる人がいるから面白い。

さぁ、まずは鳥取を舞台にしたアニメを作るところからはじめようか。

- 太郎の部屋 - 2010年01月18日 21:58:14

>ヒバリさん
 役に立つ人には役に立ちそうだね、こういう研究は。鳥取の青山さんの影響力がきになる。

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