碓氷峠を越える新幹線

 碓氷峠と言えば、群馬と長野の間にそびえる峠で、両側の標高が著しく異なる難所です。普通の峠に鉄道や道路を場合、両側の標高があまり変わらないことが多いため、今の技術では長大トンネルで貫き起伏の少ない道ができますが、碓氷峠ではそれが困難です。「北陸新幹線」の開通時に廃止となった「信越線」の「横川」(387m)~「軽井沢」(信越線は939m)の11.2 kmの区間の標高差は552mにも及びます。この区間の大部分は66.7 ‰の勾配(1000m進むと66.7 m登る勾配)になっています。

碓氷峠と北陸新幹線
 上図が薄い峠周辺の駅の位置とその標高です。「高崎」と「佐久平」の標高は、地形図から推定しました。「安中榛名」と「軽井沢」間の新幹線の路線の湾曲に注目してください。

 さて、こんなところに「北陸新幹線」を通したわけですが、新幹線車両は高速運転をするため普通の鉄道車両と比べて急坂に弱いです。これは、車や自転車が高速ギアの状態で急坂を走るが難しいのと同じ原理です。そのため、それまでの新幹線の路線勾配は基本的に最大15 ‰、特例で20 ‰と決められました。しかし、これを碓氷峠の区間に当てはめると「北陸新幹線」は碓氷峠を長大トンネルで貫いて「軽井沢」を通過し、「佐久平」辺りで地上にでることになります。「軽井沢」は需要が大きく採算をとるのには重要な地点であるため通過させることはできません。さらに、新幹線車両の技術も進歩してきたため、この区間は特例の30 ‰の勾配で切り抜けることにしました。それでも「安中榛名」と「軽井沢」の標高差が651 mと莫大なため、線路を大きく迂回させて登り(下り)きるための距離を稼ぎました。それで従来の「信越線」よりも大周りをする線形になったのです。

 車両の技術は進歩してここを走る車両は相当パワーの強いモーターを使っていますが、それでも30 ‰の勾配は強力で、たとえば「安中榛名」から発進してその坂を登りながらフル加速しても最高170 km/hほどしかでません(ただし、0系では30 ‰の坂道は通過不可能なので相当対策は練ったと言える)。ただ、大半の列車は「安中榛名」を通過するので「高崎」から助走をつけたまま坂を登り、170 km/hまで落ちないうちに登りきれるそうです。むしろ坂を下る方が厄介で、下る際は何重ものブレーキを駆使して200 km/h制限で下ります。まあ、今のご時世ではスピードの出せない区間ではありますが、それでも200 km/hでこの区間を走破すると、「安中榛名」と「軽井沢」間、すなわち651 mもの落差区間を僅か7分で通り抜けることになります(1分で93 m、1秒で1.55 m分上り下りしている計算)。

 これらのことを考えると、かつての「上越新幹線」の車両が下り坂を利用して275 km/h運転したときのように、ブレーキをほとんど効かせずこの坂を下ったらどれだけ速度が上がるのか?気になります。
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